全動画の完全視聴率は60%以上/お店に予約が殺到したTU動画
――動画広告市場が伸びていますが、「ルトロン」ではどのような広告ビジネスを展開されていますか?
鈴木:編集部とタイアップした動画広告もありますし、テレビでいうタイムの手法を取り入れた特集スポンサード広告も展開しています。特集スポンサード広告には、曜日特集のページにブランドロゴを冠したヘッダーパネルが入るのに加え、動画広告の配信枠もあります。各曜日1社限定の広告メニューなので、ジャック感があり好評ですね。
また、編集タイアップ動画では、媒体の世界観や人気のコンテンツと広告主のブランドストーリーを融合させた動画を、ネイティブアドとして配信しています。
たとえば、レストランからのTU広告では、次のような動画を作成しました。こちらは、配信後に予約が殺到したようで、とても反響がよかった案件です。
――広告コンテンツに限らず、動画の完全視聴率はどのくらいでしょうか?
鈴木:ルトロンでは、30秒から60秒超まで様々な尺の動画をお届けしていますが、秒単位の完全視聴率を分析したところ、ユーザーさんが興味を持って見ていただける“ほどよい尺”は、30秒だということがわかりました。ですので、最近では30秒程度の動画を中心に配信しています。
2018年7月の全動画の完全視聴率は、60%を超えており、最後まで見てくれているユーザーさんが多くいることを嬉しく感じています。
進むAI活用、自動編集された動画をパーソナライズ配信!
――オープンエイトは、AIを活用した自動動画制作ツールの「VIDEO BRAIN」を最近リリースされましたが、「ルトロン」の運営でもAIを活用していますか?
鈴木:はい、「ルトロンAI」というソリューションを活用しています。「ルトロンAI」は、まずユーザーの行動データを解析し、ユーザーが興味をもっているエリアやスポット、アイテムやキーワードを導き出します。それから、約8,000本ある全動画の中からマッチするコンテンツを抽出、その中から興味のあるシーンを抜き出して、自動編集によりテロップを加え、配信までを行ってくれます。
――自動で制作されたコンテンツは、どこで活用しているのですか?
鈴木:アプリの「あなたへのおすすめ」の欄で、パーソナライズ配信しています。ここでは、ユーザーのビヘイビアデータに基づいて30のクラスタを設定しており、それに基づいて配信しています。
「ルトロンAI」の技術を活用して、新たに企業向けに開発・提供を開始したのが「VIDEO BRAIN」というソリューションです。これは、テキストデータと静止画、動画をアップロードするだけで、文脈に沿った動画を自動編集するツールです。9月3日にリリースしたばかりですので、これから拡販していきたいと考えているところです。
――では、最後に今後の展望をお聞かせください。
鈴木:10月より、プレミアムコンテンツ(有料)の提供を開始します。たとえば、プロのインストラクターが考案したヨガのレッスンなど、特定の分野に詳しい著名人によるコンテンツを有料化していく予定です。
また、インタラクティブな機能の拡充も予定しています。ライク(like)された記事の数を表示したり、ユーザーもおでかけレポを気軽に投稿できるようにするといったサービスも提供していきたいと考えています。