SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

定期誌「MarkeZine」

第67号(2021年7月号)
特集「戦略実行を支える、強いチームの作り方」

定期誌購読者なら
誌面がウェブでも読めます

女性向けメディア特集

「我々はもはや出版社ではない」外資系デジタル・パブリッシャー、ハースト婦人画報社の今

 創刊から113年の歴史がある『婦人画報』をはじめ、『25ans(ヴァンサンカン)』『ELLE(エル)』といった多数の雑誌媒体を展開するハースト婦人画報社。歴史ある雑誌ブランドが多いため、出版社としての印象が強いが、5年後にはデジタル部門の収益が出版事業による収益を超える見込みである。その原動力となっている360°戦略、そして顧客データを活用した新たなサービス展開について話を聞いてきた。

99%の売上が雑誌事業だった時代から強かったデジタルへの意識

――今回は出版社からマルチメディアカンパニーへ大きくシフトしている、ハースト婦人画報社の「360°戦略」について、お話をうかがっていきます。まず初めに、フロケさんのご経歴を簡単に教えてください。

株式会社ハースト婦人画報社 代表取締役社長 二コラ・フロケ氏
株式会社ハースト婦人画報社/株式会社ハースト・デジタル・ジャパン 代表取締役社長 二コラ・フロケ氏

フロケ:私はフランスから来日後、アパレルブランドやコスメブランドの会社でECビジネスの基本を学びました。その後、2004年に弊社に入社したのですが、その当時はまだ売上の99%が雑誌事業でした。そこからデジタル事業の立ち上げ・成長を率いてきまして、今年4月から代表取締役社長に就任しています。

――ハースト婦人画報社では、いつ頃から本格的にデジタルへの移行を考えられていたのでしょうか?

フロケ:出版社からデジタルの会社へ転換し始めたのは、2006年頃です。その頃には、今後デジタル中心のビジネスに変革していく必要性を強く認識していましたし、将来的にそうなっていくだろうと確信していました。

 当時まずはじめに行ったのは、ブランド力の強い雑誌へのリソースの集中です。ブランド力が弱かった雑誌を休刊にし、『婦人画報』や『25ans(ヴァンサンカン)』、『ELLE(エル)』などのブランドが強い雑誌からデジタル化を進めていきました。そうしてデジタルに投資していく中で、2009年頃から「360°戦略」という大きなビジネス戦略の形が見えてきました。

――早い段階からデジタル化へ移行し始めていたのですね。では改めて、デジタルシフトにおける360°戦略について、詳しくお聞かせください。

フロケ:360°戦略は、雑誌やWebサイト、SNS、イベント、ECなど、あらゆるチャネルや手段を用いて、コンテンツを発信していくものです。このメディアプラットフォーム上における読者・広告主・生活者とのタッチポイントをデータとして収集することで、360°戦略の大きな目的である「収益の多様化」に向けて、マネタイズを実現しています

出版社から「雑誌も発行するデジタル・パブリッシャー」へ

――「収益源の多様化」について、デジタルでのマネタイズで大きな割合を占めている領域は何ですか?

フロケ:ECですね。広告収入以外の新しい柱を模索する中で、2009年にECを立ち上げました。我々には、メディアを通して出会った読者のデータがありますので、その活用が大きな強みになっています。

 現在は、収益の約3分の1がECという状態です。また、昨年実績でECを含めたデジタル事業の売上は、前年度比プラス20%と一気に拡大しています。今はまだ紙媒体の売上が大きいですが、約2年後には半々に、5年後にはデジタルの売上が逆転する見通しです。

 我々は、ある時から「自分たちはもはや出版社ではない」と、自社の定義を変えました。「Webサイトも運営する雑誌出版社」でもなく、「雑誌も発行するデジタル・パブリッシャー」として、自身を捉えています

――そんな中で、紙媒体にしかない強みは何だと思われますか?

フロケ:紙は、やはり一番高級感がある媒体だと思っています。ハイエンド、富裕層にとっては心地よい、ゆったりとした場所ですよね。インテリアやファッションといったジャンルとは特に相性が良く、これは広告コンテンツにも同じことがいえるでしょう。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
あらゆるタッチポイントで読者データを収集、CRM強化へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
女性向けメディア特集連載記事一覧

もっと読む

関連リンク
この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

大木 一真(オオキ カズマ)

立教大学法学部を卒業後、大手インターネット広告代理店へ入社。広告代理店事業を経て、Webメディア「新R25」の立ち上げ、編集に携わる。その後、フリーの編集者・ライターとなり、現在に至る。政治やビジネス、マーケティング分野の取材・記事執筆を中心に、企業のオウンドメディアやソーシャルメディアの企画・編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2018/09/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29230

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング