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インターネット広告の歴史と未来

DSP・SSP・DMPの誕生 リーマンショックを契機に人とお金が揃い、動的に広告枠を押さえる世界に


 検索連動型広告の発展をきっかけに、インターネット広告黎明期を牽引した予約型の「バナー広告」と運用型のディスプレイ広告が徐々に近づいていき、GoogleのDoubleClick買収に帰結しました。その後に登場したDSP・SSP・DMPについて、インターネット広告業界を黎明期から見つめてきたアタラ合同会社の鹿毛比呂志さんの視点を中心に振り返ります。

リーマンショックとビッグデータブーム

杓谷匠(以下、杓谷):GoogleがDoubleClickを買収した頃に、「Demand Side Platform(以下、DSP)」、「Supply Side Platform(以下、SSP)」、「Data Management Platform(以下、DMP)」が登場しました。この登場の背景を教えてください。

鹿毛比呂志(以下、鹿毛):アメリカでは2008年にリーマンショックが起こって、金融業界から数理統計に長けた人材がインターネット広告業界に転身していったと言われています。当時は「ビッグデータ」という概念がすごく流行っていて、「ビッグデータ」を使うとありとあらゆるものの価値を飛躍的に高めることができるだろうという話が出ていました。その金融業界から転身してきた人達が何をやったかというと、インターネット広告に「ビッグデータ」を使って付加価値をつけることでした。

アタラ合同会社 シニアコンサルタント 鹿毛 比呂志さん
アタラ合同会社 シニアコンサルタント 鹿毛 比呂志さん

 広告制作プロダクションを経て、オプト、ADKインタラクティブ、デジタルインテリジェンスでSEM、WEB解析、DMP導入運用サポートなどのプロジェクトマネジメント、コンサルティング、ビジネス支援を行う。その後3年半のフリーランスを経て2018年1月よりアタラ参画。 パフォーマンス型広告とブランディング広告、広告と非広告、コンサルタントとエンジニア、成果と洞察など、分断されがちなものをデータやテクノロジー、アイデアを使ってつないでいき、デジタルによるマーケティングやビジネスの未来を作っていきたいと考えている。 共著に『ビッグデータ時代の新マーケティング思考』。

鹿毛:鼻の利く人間が起業したり、市場を長く見てきている人間が投資して一千万円が数十億になるという話がぼんぼん出てきたわけです。リーマンショックで投資先を失った投資家がこのアドテク市場、ビッグデータ市場を煽ったという動きは無視できないと思います。リーマンショックを契機に「人」と「お金」が揃い、その流れが2010年頃に日本にも及んだわけです。

 広告の収益を高めたいというパブリッシャー(広告枠の提供者)側のニーズと、より投資対効果の高い広告を配信したいという広告主と、新しいテクノロジーによってIPOなどをして儲けたいという投資家の思惑などが重なってできたのがDSP・SSP・DMP市場だと僕は解釈しています。

検索連動型広告をうらやむパブリッシャー側の要望から

鹿毛:DSP・SSP・DMPの成り立ちを話すには、パブリッシャーの視点から始めるのがわかりやすいと思います。

 パブリッシャーはこれまで、予約型の「バナー広告」やタイアップ広告などで収益化していたのですが、検索連動型広告の恩恵はまったく受けられませんでした。検索連動型広告はオークション課金なので効果が高ければどんどん相場が高まっていって雪だるま式に儲かっていく。それってすごくうらやましいなとパブリッシャー側は思っていたわけです。同時に、「バナー広告」はウェブサイトの行動履歴などのデータを裏側に貼り付けると効果が高いということもわかってきていました。

 この2つの流れがあって、パブリッシャーはより収益性の高い広告を掲載するために、データによるターゲティングを付加価値とした入札型のディスプレイ広告をやりたいというニーズが高まってきたわけです。パブリッシャー側には単体では売ることが難しい余剰在庫枠(レムナント枠)が大量にありました。そこで、最も収益性の高い広告を選び配信するSSPと、広告主からの特定オーディエンスの買い付け要求を受け付けるDSP、そして広告の裏側にデータを貼り付けるためのDMPが登場したわけです。

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この記事の著者

杓谷 匠(シャクヤ タクミ)

Jellyfish Japan株式会社 Data Strategy Director 2008年に新卒一期生としてグーグル株式会社に入社。2010年にスタートアップの立ち上げに参画したのち、しばらく川原でひざを抱える日々を経験。2013年からトリップアドバイザー株式会社にてSEMアナリスト、BIア...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 10:04 https://markezine.jp/article/detail/29214

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