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ネットで話題になるとどうなる?担当者が語るビフォーアフター

アドビの"あのロゴ"がハンガーに? Twitterで話題のネタに企業がうまく便乗する方法

 最近では、Twitter発の企業間コラボは目新しいものではなくなってきています。一方で、個人の発案や企画に企業が便乗するというコラボはあまり見かけません。そんな中で、とあるプロダクトデザイナーが自身のTwitterで発信していた「企業のノベルティを勝手に考える」に反応したのが、アドビ システムズ。今回は、「PDFハンガー」の実現に乗り出した同社の西山正一氏に詳しいお話を伺いました。

きっかけは、Twitterで話題のネタに反応したことだった

――「PDFハンガー」は、元々デザイナーの大村さんという方の「企業のノベルティを勝手に作る」で生まれたものですよね。このプロダクトの商品化に乗り出そうと思った経緯を教えていただけますか?

アドビ システムズ 株式会社 デジタルメディア ビジネス本部 営業戦略本部 執行役員 本部長 西山正一氏
2001年にアドビ システムズ 社に入社。Web製作アプリケーションやDTPアプリケーションの製品担当を経たのち、Creative Cloudのマーケティング全般に携わる。2017年6月に営業部に異動し、現在はEC事業の責任者として同社のデジタルマーケティング技術を使い、クリエイティブ製品の販売を管轄している。

西山:僕自身は現在SNSを職場のオフィシャルな活動としては使っていません。投稿内容の99%は、仕事と無関係な食べ物の話やおもしろネタなどです。今回も、「アドビの中の人が反応した」というよりも、個人としての僕がいつものようにおもしろネタを拡散しているという感覚で行いました。もちろん、反応を見て好評であれば「RT数などをエビデンスにしてグッズ製作予算を取りに行こうかな?」くらいの気持ちはありましたが。

発端は西山氏がTwitter上で反応したことだったという
同氏Twitterより)

西山:結果として1,000以上のいいねをいただくこととなり、「これはマジでハンガーを作ったら相当ウケるに違いない」と感じました。この手の話は熱いうちに動いた方が盛り上がると思ったので、ソフトバンクの孫さんのように「やりましょう」と即答したかったのですが、営業部ではノベルティ製作の予算を持っていません。なので、僕の一存ですべてを決めるわけにはいきませんでした。

 また、この直後にゴールデンウィークに突入してしまい、予算を持っているマーケティング部の同僚に相談することもできませんでした。とはいえ、モタモタしていると旬を逃してしまうので、まずは一旦僕の独断で大村さん宛てに「現状何もコミットできないが、個人的には商品化を実現したいので一度相談に乗って欲しい」という内容のDMをお送りしました。

アドビ社内の反応は?

――「企業のノベルティを勝手に考える」という企画に乗ることに対して、社内での抵抗はなかったのでしょうか?

西山:ちょうど休暇明けに本社出張が予定されていたので、Acrobatチームの偉い人にこの件を紹介してみました。そこにはオフィシャルグッズストアがあるので、「このハンガーがストアで販売されていたらクールじゃない?」と。想定以上に乗り気になってくれましたね。しかし、念のため本社のブランディングチームに確認してもらったところ、「ハンガーのフック部分が欠けているので承認できない」という何ともおもしろみのない回答が返ってきました。

本社からはNGを食らってしまった

西山:ですが、このままお蔵入りにするのは勿体無いと思い、帰国後のとあるイベントのパーティーで日本のマーケティングの責任者に直談判しました。すると、二つ返事で「おもしろそうですね。やっちゃいましょう!」とのお言葉をいただきました。弊社のPDFがおもしろネタとして話題になる機会はなかなかないのですが、「ポジティブな形で話題になっている」というニュアンスを理解してもらえて良かったと思います。

――「PDFハンガー」はまだ商品化には至っていませんが、今後どういった形でユーザーに提供される予定ですか?

西山:正直に申し上げて、実はまだどういった形で世に出せるかはわかりません。大村さんの3Dプリント作品をよく見ていただけるとわかるのですが、実はリボンがメビウスの輪のようにねじれているので、金型を作成するハードルが極めて高いのです。

 なので、最終的なアウトプットもおそらく3Dプリントになるのではと考えています。ひょっとしたらこの記事やブログを読んだ勇者が、「大量生産を可能にするウルトラCのアイデア」を持ち込んでくれるかもしれませんね。できればそういった想像を超えるおもしろい展開になってくれるといいなと思っています。

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6PAC(シックスパック)

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2018/09/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29248

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