People Driven Marketingが2.0にバージョンアップ
「People Driven Marketing」(ピープル・ドリブン・マーケティング、以下、PDM)とは、電通・電通デジタルが2017年に開発した統合フレームワークで、“人”基点で電通グループ内のマーケティング手法を結集・高度化したものになっている。
今回両社が開催した「People Driven Marketing 実践セミナー 2018」内では、このPDMが1年の時を経て2.0にアップデートされたことが明らかになった。セミナープログラム「People Driven Marketing 2.0 とは」にて、電通でPDM推進グループ長を務める田中耕平氏は、どのような背景で2.0になったのかを語った。
「PDMは、人が動くことでマーケティング目標が達成されるという考え方のもと、KGIから逆算したフルファネル視点での統合的な課題解決をゴールとしています。これを達成するには、フレームワークを作って終わりではなく、OSのように定期的なバージョンアップが必要です。そのため、この度2.0へとバージョンアップを行いました」(田中氏)
分析力、ジャーニー設計力などを強化
PDM2.0では、何が進化したのだろうか。田中氏は大きなポイントとして挙げたのは、「RIGHT PERSONの徹底的な深堀り・見える化・蓄積」「RIGHT PERSONを起点とした、デジタル環境でのシームレスなマーケティングコミュニケーションの実行力・チューニング力」の2つ。
そして、この進化を支える要素に以下4つのポイントを挙げた。
1.アナリティック強化
電通が提供するDMP「People Driven DMP(以下、People DMP)」の機能強化を通じて、RIGHT PERSONの徹底的な深堀り・見える化・蓄積につながる分析を可能にした。
2.ジャーニー設計力強化
コンタクトポイントをより精緻に把握し、適切な施策を展開するのに不可欠なカスタマージャーニーの設計。同社は米GroundTruth社という位置情報マーケティング会社と提携し、来店状況なども正確に把握する狙いだ。
3.コンテンツ企画力強化
顧客にリーチするだけではダメなので、リーチした時に見せるコンテンツの企画力を強化。
4.PDCA強化
People DMPの進化で、今まで以上に早く成果を明らかにし、改善のアクションを提示。これにより、PDCAを高速に回す。
これら4つに関する機能強化を通じて進化するPDM2.0。田中氏は同プログラムの最後に同フレームワークの今後について語った。
「PDCAを回していくというのは、仕掛けたことの結果を明らかにし、次の施策にしっかりと反映することで、永続的に事業を成長させていくということです。PDM2.0では、施策を通じてクライアント様とともに学び、皆さまの事業に貢献していきます」(田中氏)