「公式アカウント」はユーザーとどう向き合うべき?
――商品自体への注目もそうですが、公式Twitterアカウントへの称賛の声も多数拝見しました。ユーザーとのコミュニケーションで気をつけていることは何ですか?
中の人:そう言っていただけるのはとても光栄です。私には本業もございますが、極力ユーザーの方の意見には反応するように努めています。公式としての立場を持ちつつも、私もいち『アイラップ』ユーザーですので、ユーザーの目線を大切にしつつコミュニケーションを図っています。特に、発言のトーンなど、距離感にはいつも気を配っています。基本的には自然体でいるようにしていますが(笑)。

――「中の人」さんは開発営業課としての本業をお持ちだと思いますが、そもそもなぜTwitterの運用をされているのでしょうか?
中の人:個人的に広告効果を計ろうと、テスト的にTwitterを始めたのがきっかけです。2018年4月に発足した開発営業課に新たに配属となったのですが、そこでは「これまでの業務を抱えながらも『新たなこと』に挑戦する」というミッションが掲げられていました。
営業の経験がなかった私にとって、商品の開発以外のことに挑戦することは難易度の高いミッションでした。そうした中で様々な検討を重ね、注目した手法がSNSマーケティングでした。40年地道に売り続けてきた『アイラップ』に最初から的を絞っていましたね。
公式Twitterアカウントを開設するにあたっては、炎上など多くの懸念事項がありましたが、『アイラップ』担当部署の部長を説得し、何とか6月にテスト運用まで漕ぎ着けることができました。それから4ヵ月が経ち、今ではラジオへの出演依頼をいただくこともあります。テスト運用の規模を超え、正式に「中の人」として当初のミッションであった「新たなこと」に挑戦しているところです。
――首都圏や関西圏で『アイラップ』の知名度が低い理由はどこにあると考えていますか?
中の人:発売当時は、ダイエーをはじめとした全国店で販売していました。女優さんを起用したテレビCMを展開し、ポスターやチラシなどでも販売促進を行っていました。
しかし、徐々に売り場が縮小し、首都圏や関西圏から後退してしまったというのが実情です。現在普及している地域では、地元の販売店さんや卸業者さんに根強く取り扱っていただいたり、当時の担当者が必死に普及に努めたおかげで生き残ることができました。それから約40年を経て、現在に至ります。
――今後『アイラップ』を首都圏や関西圏で広めていくためには何が必要だと考えていますか?
中の人:ポリ袋が日常生活に浸透している日本では、「ポリ袋はこう使うもの」といった固定概念があると思います。この固定概念をどう崩すかが、今後『アイラップ』の存在を広げる上でポイントになるのではないでしょうか。大手総合スーパーさんなどで取り扱っていただくためには、バイヤーさんをいかに納得させられるか、そして『アイラップ』の利便性をいかに消費者の方々に伝えられるかが重要です。

中の人:災害が頻発する近年では、ポリ袋に対する国内の評価が変わりつつあり、『アイラップ』に求められているニーズも変化してきています。こうしたニーズに応えられるかが、今後の課題ですね。