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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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統括編集長インタビュー

「できるまで諦めない。武器は根拠のない自信」縦横無尽にアジアを駆ける、バックパッカー社長の勝算

勝機は先行事業ノウハウの横展開にあり

―― 人材事業についてはいかがでしょうか。意外な印象を受けましたが。

 人材事業では「TalentMind(タレントマインド)」という、AIを活用した採用マッチングサービスを今年の1月から提供しています。当社自身の課題でもあるのですが、アジアは日本の人材採用とは状況が違い人材の入れ替わりが激しく、企業にとっては大量の応募を絞り込む手間がかかります。その課題に対してAIを活用することで、戦略的で最適な採用活動を支援していきます。

 具体的には、TalentMindで応募者のソーシャルメディアや履歴書をAIで解析し、適応するかどうかを分析したり、既存社員のスキル・パフォーマンス・コンピテンシー(高業績者に共通してみられる行動特性)のデータを基に、自社にとって理想とする人材像を明確にできたりします。もちろんデータは貯めていき、AIに学習させていきます。

 要は人材領域における非効率な状況を、データとAIの力で解決していくということなのですが、広告事業やインフルエンサーマーケティング事業で培った仕組みを人材事業へと応用しています。

―― 人材領域への展開は最初から考えていたのでしょうか。

 漠然と「人材業界でいつか勝負したい」と考えていました。起業当初、リクルートとサイバーエージェントを足して2で割ったような会社をアジアで作れればおもしろいな、と思っていたんです。両社とも尊敬する会社でまだまだ足元にも及ばないですが、同じようなことをやっても絶対に勝てません。そこで「アジア」という領域にフォーカスし、テクノロジーを最大限活用することで勝機を見いだせるのではと考えました。

 先行してインフルエンサーマーケティング事業を展開する中で、結局は人の分析をやっていることに気づきました。そのノウハウを応募者の分析にも活かせるのでないかと考え、TalentMindの開発に至ったわけです。

どこのデータを取得するのか? その見極めがポイント

―― テクノロジーの最大限活用についてですが、テクノロジー企業を筆頭にAIをはじめとしたテクノロジーへの投資は激しく、競い合っている印象です。そういった中で、どういう戦い方を描いているのでしょうか。

 「どこのデータを取得するのか」が大事だと私は考えています。データと一口にいっても、様々な性質のデータがありますよね。なぜ私たちが、どこよりも早く一気にアジア展開をしているのか。それはアジア各国の広告、インフルエンサー、人材のデータを最速で取得するためです。

 米国やヨーローパなど、既に先行している市場では後発になってしまいますが、アジアはまだ発展途上なので先行者メリットがあると考えています。AIはそれ自体が価値を生み出すのではなく、AIにどのデータを学習させるのかが大切です。データの量と質によってアウトプットはかなり変わってきます。

 もう一点重要なのが採用です。どれだけ優れたテクノロジーでも、それを作ったり正しい活用方法を考えるのは、結局人間です。そう考えているので、私は人に対しての投資は絶対に止めません。優秀な方を採用するためにできる限りのことをしたいと考えていますし、そういった方々が活躍できる舞台を常に用意したいと思っています。まだまだその状況が作れていません。

―― 先に挙げたリクルート、サイバーエージェントの2社も採用が強いですね。

 ええ。会社が大きくなっていくと、ありがたいことに「入社したい」という方が増えてきます。それこそ、業界内で名が通った方にも入社いただけるケースもありますが、今までと違う基準や考え方で採用すると大体失敗します。

 採用の難しい点は、フェーズによって必要な人材が違うところ。「この人材を採用したらここが伸びたから、またそういう人を採用しよう」というような、過去の成功体験が通用しない。特に当社のようなスタートアップの場合、局面がコロコロ変わっていくので、その時々で人材に必要な要素が変わるんですよね。そこを上手く見極めて、最適な人材を集めるのが大切です。

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戦国武将の末裔、武器は「根拠のない自信」

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/17 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29344

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