なんでも「流れる時代」は「止める力」が重要
3つ目のテーマは「なんでも『流れる時代』は『止める力』が重要」だ。移り変わりの早い現代では、多くのコンテンツは流れ去るかのように消化されていく。一方で、そうではなく目に留まり、心に残るものもある。スマホで指が止まって(Thumb Stop)見てしまう、もしくは街を歩いていて足が止まって(Foot Stop)しまうコンテンツだ。

この差を意識してストーリーを作れなければ、たとえ1億円かけたとしてもまさしく「人の親指すら止められない」コンテンツになってしまうだろうと明石氏は警鐘を鳴らす。
「自分の意思でコンテンツを見始めるということ、これがすごく重要なことです。人間の意志が変わるのは、自分の意思で選んだときだと考えています。見ようかなと思うから情報を受け入れる体制になる。実際、ONE MEDIAではフィードの中でスクロールするタイプ、もしくはフリックするタイプでしか動画を配信していません。消費者の気持ちを変えることこそが重要なので、僕らはそういうポリシーで動画を作ってきたし、『サムストップ』させることに成功してきました」
ONE MEDIAではこのサムストップでの成功体験を応用し、山手線のデジタルサイネージをスタートした。顧客が自分の意思で情報を選択する機会を、クリエイティブの力で演出できれば、人の気持ちの中へ入っていくことも可能になるそうだ。
「広告2.0で何が変わっていくかというと、「Ads by」から「Presented by」に変わっていくんじゃないかと思います」(明石氏)
明石氏は、「広告はプレゼントであるべきで、広告主からユーザーへの贈り物にしないともはや受け入れられない時代です」との言葉でセッションを締めくくった。
