キャンペーンに参画した目的は「新たな顧客接点」の創出
――セガゲームスさんが今回「グッチョイクーポン」に参画された理由を教えてください。
伊藤:弊社はゲーム事業を行っていますが、ユーザーからすれば、ゲームは余暇を過ごす手段のひとつです。そこで、鉄道という生活する上で欠かせないインフラにユーザーとの顧客接点をつくることで、オンラインとオフライン両方でユーザーとのつながりを持てるのではないかと考えました。
東急さんは2017年7月に「グッチョイクーポン」の第一弾をされていたのですが、当時はあまり外部の企業と広くコラボをされているイメージはありませんでした。それでも、「普段の生活を少し変えるだけでゲームがお得に遊べる」ということをぜひ実現したいと思い、ダメもとで東急さんに提案をしてみました。すると、「ぜひ」ということで快諾していただき、今回のコラボが実現しました。
――「グッチョイクーポン」では、現時点で何社ほどと提携しているのですか?
片貝:伊藤さんが仰ったように、当初は東急グループ内の企業のクーポンがほとんどでした。ただ、多岐に渡る業界・業種の企業を巻き込んだほうがキャンペーンとして盛り上がり、多くのユーザーにリーチできるだろうという考えのもと、コラボ企業を徐々に増やしていきました。現時点(※2018年10月18日)では、クーポンの種類は22種類、提携企業は11社です。

――オンラインとオフラインを横断したこのキャンペーンによって、どういった相乗効果が得られたのでしょうか?
伊藤:昨今では、オンラインとオフラインの垣根はどんどん曖昧になっています。企業側からすればマスやデジタルの使い分けといった視点での施策立案は重要かもしれませんが、ユーザーにとっては、チャネルは商品・サービスの価値を得るための手段でしかありません。重要なのは、そこに自然な顧客体験があるかどうかだと思います。
今回で言えば、ご提供したのは「早起きをする」というオフラインでの行動が「ゲーム内のアイテムとの交換」につながるという顧客体験で、スマホゲームの一部をリアルの世界でもプレイしている、そういった疑似体験を提供しています。この一連の流れをシームレスに行えるようにしたのが、東急線アプリの存在ですね。
ゲーム内でアイテム交換をしたユーザーは約1.5倍増加
――キャンペーン参画後、ユーザーにおける変化はありましたか?
伊藤:今回のキャンペーン施策単体で、急激にユーザー数が増加するとは考えていません。サービスの訴求は泥臭く、継続的に繰り返すことが長期的に見ても大切ではないでしょうか。ただ、SNSなどでも今回の施策に対するユーザーからの反応が見られ、その点はポジティブに捉えています。

――ソーシャルリスニング以外では、キャンペーンの効果を計るためにどういった視標を見ているのでしょうか?
伊藤:「Playbit」内でアイテムを交換するユーザーがどの程度増加したかは追っています。データはキャンペーンの区切りごとに計測しており、今年の4~6月および7~9月の2つの期間を比較すると、7~9月にアイテムを交換したユーザーは4~6月と比べて約1.5倍増加しました。
キャンペーンに参画する前は、社内でも「ゲームアイテムのためだけに朝早く起きるユーザーは果たしているのか」という懐疑的な声があがっていました。ところが、いざ蓋を開けてみると実際に早起きをしてアイテム交換までしてくださるユーザーが一定数確認され、社内では大きな驚きとなりました。