※本記事は、2018年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』34号に掲載したものです。
AI関連の活動を集約
株式会社電通 事業企画局 プロジェクト推進部チーフ・プランナー 児玉拓也(こだま・たくや)氏
2007年電通入社。2017年から全社横断AIプロジェクト「AI MIRAI」の統括を務める。ビジネス課題を解決するツールとしてのAIをテーマに、30以上のAI開発案件に携わる。
――様々な領域でのAIの実用化が進む中、広告領域ではいよいよクリエイティブにAIが貢献するようになってきています。この1、2年の間に御社が発表されているトピックにも、そうした観点がありますが、AI活用を模索する活動の中心となっているのが2018年1月に発足した「AI MIRAI」だと思います。この背景から、まずうかがえますか?
3年ほど前から、社内でAIに関連する複数の動きが出てきていました。ちょうどAlphaGo(Deep Mindが開発したチェス専用のスーパーコンピューター)やGoogle翻訳へのAI活用が発表されたのと時期を同じくして、当社でもディープラーニングを用いたテレビ視聴率予測システムの「SHAREST(シェアレスト)」や、AIコピーライター「AICO」の原案を模索していました。
最初は、社内の各所で感度の高い人間がチャットボットやデータ推論といったAI関連のトピックを模索し始めていたのですが、電通としても新しい技術を各自が追求するのではなく、社として見定めてスケールしていきたい意向があったので、動き出していたメンバーをネットワークして、AI MIRAIの前身のチームが2017年3月に立ち上がりました。2017年のうちにSHARESTとAICOをリリースし、この活動をさらに強めていくために、AI MIRAIの発表に至った次第です。ちなみにSHARESTの企画で協業したデータアーティストとは、さらに相乗効果を生み出す目的で、2018年2月に同社の子会社化を決定しました。