家族に、かっこいい姿を見せたい
――東急ハンズをはじめとして、小売業のデジタルマーケティングが進んでいます。デジタルでの店舗支援には、どのような課題がありますか。
元々、東急ハンズの広告媒体はチラシがメインでしたが、今はオウンドメディアやアプリが中心です。すると店舗からは、手元に届くチラシと比べて、どんな宣伝施策をやっているのか見えづらいんです。これが課題ですね。来店されたお客様が、オウンドメディアで紹介されていたアイテムが欲しいとスマホやアプリを見せてくださることで、ようやく現場に宣伝の実感が出るという距離感があります。オンラインで話題となり集客につながることも大切ですが、最終的には売り上げが大事。店舗のみんなが驚くようなオンライン発の大きい売り上げを作りたいと考えているので、その仕込みを進めているところです。
店舗それぞれの価値観があり、現場の理解も様々ですので、簡単なことではありません。でも、私の得意なことは熱量を伝えること。実際に、押しは強いと言われます。施策についても、やったほうがいいですよねと一つひとつ話をしていき、ヒント・マーケットである東急ハンズはこうあるべきという思いを伝えていくようにしています。
――これから目指したいキャリア像について、聞かせてください。
仕事に関していうと、小売業だけでなく、視野を広げて他の業界の情報も追っていきたいと思います。また、趣味について聞かれるときは、ライフスタイルデザインと答えています。これは「ステキな器が欲しい」とか「ちょっとおしゃれをしよう」のように、自分の日常を少しずつ良くすること。生活をより豊かにすることに喜びを感じます。この感覚を仕事にも活かして、より良い未来とライフスタイルの実現を手助けする人でありたいです。
――目指していた仕事とプライベートの両立はいかがでしょう。
私は自分と向き合うのが好きなので、やりたいことをノートに書き留めています。最近「逆算メソッド」という目標やなりたい姿から逆算し、計画を立てていく方法を知り、ノートに書いて何度も見返しています。逆算メソッドの中で「生きていくうえで大切にしたいと思うことはなんですか」という問いに、私は「自由・情熱・バランス」と書きました。自由とは、物理的にも心理的にも縛られるのは嫌だということ。女性だから、母親だからという価値観からも自分を解放していこうと思っています。また、仕事だけでなく何かを伝えるときに情熱は必要ですし、仕事・子育て・自分の時間それぞれをバランスよく持ちたい。ノートには、「かっこいい姿を子どもに見せる」とも書いています。子供には「お母さん、いつも新しいことをしていて楽しそうだな」とか、「チャレンジしているな。働くことはかっこいいんだな」と感じてもらえたらと思います。
