企業と個人、ライブコマースの3つの魅力
企業にとってのライブコマースのメリットは、「コスト効率の良さ」「従業員のモチベーション向上」、そして「マーケティング効果」の3つがあります。
従来のECでは、商品を撮影しLPを作成、広告出稿など様々な手間が掛かりました。しかし、ライブコマースはスマホ1台で配信・販売ができ、かつ視聴者からの質問にダイレクトに答えられるので中間コストを省くことができます。
また、従業員が出演することで、視聴者に見られているという意識などによって、従業員のモチベーションが上がる効果もあります。
さらに、お客様が購入する前にどのような部分をポイントとしているかがわかるためマーケティングの観点でも活用できます。
一方、個人の配信者にとっての魅力は、「ライブコマースならではの相互コミュニケーション」「テキストでは伝わらない商品の魅力の伝達」「配信者自身にファンがつく」という3点です。これまでのECではできなかった、インタラクティブなコミュニケーションによって、必要な情報を明示でき、商品のディテールなどをリアルタイムで見せられることが魅力です。
ライブコマースではこの人が紹介したから買うといった、信頼関係が購買に結びつくため、ファンの形成も魅力です。例えるならば、今までのECは自動販売機のような感じで、ライブコマースは地域の八百屋で繰り広げられる接客をするような、コミュニケーションを通して買うという感じです。接客を受けてこの人から買いたいと思う、その楽しさをテクノロジーで後押しします。

株式会社メルカリ事業開発部 石川 佑氏
京セラでのスマートフォンの商品企画・提案営業、DeNAでのECコンサルタント・カテゴリー戦略立案業務や「Wowma!」の立ち上げ、サイト編成業務を経て、2017年にメルカリに入社。事業開発部にて、メルカリチャンネルの法人開放等を担当。
ライブコマースを通じたブランドの認知拡大に期待
私が所属するグループマーケティング推進ユニットのミッションは、有効だと思われるマーケティング施策をグループ各社へ紹介・提案し利益を生み出すことです。ライブコマースは、配信者と視聴者がコミュニケーションを取ることで、リアルな商品情報を提供することができる新しいマーケティング施策の一つですが、まだまだ企業での導入は進んでいません。
RIZAPグループでは、夢展望が2017年12月以降、定期的にメルカリチャンネルの配信を行い、ファン数を増やしています。他の当社グループ企業でも同様に、お客様とのコミュニケーションツールとして、ブランドの認知拡大に期待できると考えました。
6月20日には、RIZAPグループの8社がメルカリチャンネル内で、8時間にも及ぶ配信をリレー形式で行いました。各社の持ち時間内では、必ず企画を実施しました。たとえば、出演者同士がゲームを行い、その結果を視聴者が予想、その結果に応じ販売価格を決定する企画などです。タイムセールを実施しても良いのですが、企画を実施することで「参加している感覚」「見ていて楽しい」といったポジティブな印象を与えることができ、配信を間延びさせず、視聴者の離脱を防ぐことにもつながります。
この「視聴するメリット」を得られるという点がECや実店舗とライブコマースの大きな違いだと考えています。「どうしたら楽しんでもらえるのか」を考えた配信をすることで、今後もファンを増やしていきたいと思っています。

RIZAPグループ株式会社
グループマーケティング推進ユニット 田中 環奈氏
法政大学卒。2016年RIZAPグループへ新卒入社。書籍・ムック本のコラボ制作等を担当。2017年12月よりグループマーケティング推進ユニットに所属。現在約80社あるグループ企業へ向け、マーケティング最適化を支援している。