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ブランドリフト偏重に異議あり!CyberBullとインテージが取り組む、広告業界への挑戦

売上から逆算した広告設計に必要な2つのスキーム

MZ:売上から逆算した動画広告のプランニングを実現するにはどうすれば良いのでしょうか。

須藤:弊社としては、大きく2つのことをすべきだと考えています。1つが「施策の売上への寄与度を可視化するスキームの構築」。これはWebでの施策が事業における売上へインパクトを残せているか評価するためのスキーム作りです。そしてもう1つが「施策期間中に売上をより高めるスキーム構築」です。

 まず、前者の「施策の売上への寄与度を可視化するスキームの構築」ですが、ここについてはインテージさんと連携して取り組もうとしています。

 同定義でのエリアごとの、売上のPOS状況やテレビCMのGRPおよび視聴状況、販促施策、といったテレビCMと販促施策を含む全体の施策状況とその結果として生まれた売上を一元管理します。こうしたデータを可視化することができれば、売上目標から逆算して、ネット広告の補完が必要なエリアへ広告を配信することができます。

 その後、ネット広告による補完を行ったエリアで売上が回復しているのか、またネット広告接触者が実際に購買という行動を起こしたのかを可視化するスキームの準備も進めています。

 後者の「施策期間中に売上をより高めるスキーム構築」に関しては、期待しているのが「デジタルサイネージ」です。Web上の動画広告と実際の店頭に置いてあるサイネージでの動画を連動させることで、売上をより高めることを目指しています。

MZ:店頭のサイネージには直接的な購買効果を高める効果があるということでしょうか。

須藤:その通りです。たとえば、シャンプーの購買頻度は月に1回程度だと思うのですが、つい1週間前にシャンプーを購入した人に、動画広告をあててもその時点では買う気になりません。

 しかし1ヶ月の購買サイクルを経て店頭に足を運んだとき、以前どこかで見た動画で紹介されていた商品と同じものの広告が、店頭前や商品付近のサイネージで流れてくれば、高確率でその商品を思い出していただけるはず。このように購入直前にリマインドさせ、売上にインパクトを出せる強みをデジタルサイネージは持っていると思っています。

売上に対するデジタルサイネージの可能性

MZ:デジタルサイネージの持つ仕組みはわかりました。では、動画広告とどのように組み合わせて施策を行うのでしょうか。

須藤:弊社ではクリエイティブの制作体制を社内に持つことで、複数のクリエイティブパターンによる効果検証がスピード感を持って実現可能です。Web広告は広告効果を細かく数値化できますが、それは動画広告でも同じで、どの動画が最も視聴されていて、どの動画が最後まで見られているのか、すべて可視化できます。

 そこにインテージのSRI(全国小売店パネル調査)で取得できるPOSの販売データを紐づけることで、売上に1番インパクトを残している可能性の高いクリエイティブはどのパターンか、追えるようになってきています。

 また、売上に対し最もインパクトを与えているクリエイティブを把握した後には、そのクリエイティブをデジタルサイネージ用に編集し、店頭で配信することも実現できます。その際には気温や天気に合わせてカスタマイズすることも可能です。

MZ:現在、実店舗にはどの程度デジタルサイネージの導入が進んでいるのでしょうか。

須藤:サイネージは、設置コストや設置場所がネックとなり導入台数はまだこれからというところです。この取り組みに共感して、うちでトライしてみましょうと言ってくださるメーカーさんや流通さんもいらっしゃるので、そうした方々と実証実験に挑戦し、成功事例を作り、業界のスタンダードにしていくことを目指しています。

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この記事の著者

大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaaSの導入事例の制...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29624

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