SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

COLUMN

インサイトフォース山口氏×大企業からベンチャーに転職した島袋氏の「アラフォーキャリアのリアル」対談

転職の落とし穴を避けるために

――転職すべきか、今の会社に残るべきかは、特に年齢が上がるほど悩みどころだと思います。決断のポイントとは?

島袋:前の転職のときに出会った転職エージェントの方に今回も相談しました。と言っても、その人は、もう転職エージェントをしていないのですが、今でも損得なしに客観的なアドバイスをもらえます。大きな決断をすることきに、そういう存在がいることは大きいですね。彼女が(転職をする、しないに関わらず)「キャリアの健康診断」を定期的にすることを勧めていて、今回の転職のきっかけにもなりました。

山口:キャリアって基本的に落とし穴だらけ。相手を読み違えたり、自分自身について理解不足だったりすると、ミスマッチな職場を選び続けて、選択肢が失われていきます。悪い方向に行くのを防ぐためには自分自身を知ることがすごく大事ですね。

 事業会社とベンダーや代理店ではビジネスモデルも評価軸も異なるため、どちらが自分に向いているか理解する必要があるでしょう。また、マーケティングをどう捉え、何をもって良しとしているかは企業や人によって驚くほど違います。本の中では、仕事のやり方や判断のスタイルを「マーケティング業界の流派」として紹介しましたが、その相性を見える化していないと、評価される側もする側もストレスを抱えることになります。

究極的には「自分を知ること」が一番大事

――お二人からキャリアに悩む同世代のマーケターに向けて、メッセージをお願いします。

島袋:繰り返しになりますが、キャリアの棚卸し、健康診断はやってみるべきかなと! 転職しないにしても、定期的に自分の市場価値を客観視することは大事ですし、いざというときの判断材料になります。

山口:今は個人の職業人生の中で会社の繁栄が長く続くということのほうが稀という時代です。ただ、誰しも転職すれば良いとはまったく思っていなくて、究極的には「自分を知ること」が一番大事。40代でもチャレンジもできますしスキルセットも身につきますが、そのためにはそれが認められる環境が必要となります。島袋さんにしても過去の実績から会社でこういうことが担える人だという期待値が形成できたからこそステージ4へトライする道が拓けたわけですよね。

 憧れているけど向いていないことが人間にはたくさんあります。現実を直視することが、勝率を上げる戦略としては大切です。理想に向かってなりふり構わず突き進む人が大化けして大成することもありますがレアケースですよね。

 成功者の強気な話はかなりのバイアスがかかっている。わかりやすく言えば、スティーブ・ジョブズを目指しても、99.9%の人はジョブズの1/100レベルの成功も手に入りません。でも、その過程でもがきながら皆それぞれの着地点を模索するのがリアルなキャリアづくり。

 理想は、若いうち、20代の頃に幅広い試行錯誤をすることが大事なんですよね。失敗しても軌道修正のリカバリーコストが安いですし、周囲の目も失敗には寛容で、むしろ元気な若手のチャレンジを評価してくれる。そんな目線のあるうちに、多くの失敗をしながら、自分の強みを見つける。

 でも、アラフォーからは話は別です。マネジメントであれスペシャリストであれ、周囲やビジネスを引っ張る期待値に変化するため、単に試行錯誤のチャレンジ姿勢だけでは評価されないのがリアルです。「ちゃんと辻褄あわせて成果を出せる人かどうか」を周囲がシビアに見るようになります。つまり、自分の環境や得意技を棚卸しし、冷静に持っている手札を考えて、着実に成果を出す、アラフォーから更にキャリアを積み上げていくには、そんな戦い方が求められていきます。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
COLUMN連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/01/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29639

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング