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“熱気の成分”をリアルタイムで捉える――若年層の心を掴んだ「an」の高速ソーシャル戦略

2019/01/21 10:00

 アルバイト求人情報サービス「an(アン)」を運営するパーソルキャリアは、現在スマホネイティブ世代に着目したカスタマージャーニーの構築に注力している。人生初のアルバイトを探す「バイトデビュー」のシーンを狙い、テレビCMとTwitterを組み合わせたプロモーションを展開。Salesforce Marketing Cloudの「Social Studio」を活用し、ソーシャルの反応をリアルタイムで施策に反映、過去最高の反響を獲得したという、同社の取り組みを取材した。

選ばれ続けるために「バイトデビュー」層へ訴求

 源流となる求人雑誌の発刊から半世紀以上の歴史を誇り、幅広い年齢層からの認知を強みとしている「an」。求職者と求人企業をマッチングさせる同媒体で、求職者側のマーケティングを統括する森勇樹氏は、求人メディア事業の特性を次のように述べる。

 「アルバイトの求人情報サービスは、早ければ1日、長くても開始14日以内には8割がコンバージョンまで完了するという、非常に短期決戦な事業です。一度バイト先が決まれば、それ以上の求人情報はしばらくの間見ないことから、登録会員の休眠期間が長いという特徴もあります。また、バイト探しが目的のWeb検索で『媒体のブランド名』が指名されるケースは約4割にとどまり、その内大半が『過去の利用体験』によるものとされています」(森氏)

パーソルキャリア株式会社 Works事業部 プロダクト&マーケティング企画統括部 マーケティング企画部 兼 データビジネス部 ゼネラルマネジャー 森勇樹氏
パーソルキャリア株式会社 Works事業部 プロダクト&マーケティング企画統括部
マーケティング企画部 兼 データビジネス部 ゼネラルマネジャー 森勇樹氏

 競合サイトの中には、莫大な広告予算を投じて全方位でPRを続け、新規ユーザーの流入を促す企業が多い。そんな中パーソルキャリアは、シェア拡大の具体的な戦略として、ターゲットを「若年層全般」から絞り、「バイトデビュー」する高校・大学1年生に設定した。「1度使ったブランドが高確率で次回も選ばれる」という事業の特性を踏まえ、「バイトを始める段階で『an』を選んでもらう」ことを狙ったのだ。

CMに仕掛けた「違和感」で、ソーシャルへ話題を提供

 キャンペーンのクリエイティブと、ソーシャル経由のプロモーションを手がけた同社の亀田郷平氏は、若者の嗜好とトレンドへの嗅覚において「時として広告代理店以上」と、上司の森氏をうならせる存在だ。そのインサイトの源泉には、登録会員がバイトを探していない期間(=休眠期間中)にブランドとの接点を作り出すという位置づけの女子高生向けWebマガジン「Emmary(エマリー)」の運用が存在する。

パーソルキャリア株式会社 Works事業部 プロダクト&マーケティング企画統括部 マーケティング企画部 ブランドコミュニケーショングループ 亀田郷平氏
パーソルキャリア株式会社 Works事業部 プロダクト&マーケティング企画統括部
マーケティング企画部 ブランドコミュニケーショングループ 亀田郷平氏

 今回キャンペーンの第1弾として制作したテレビCMに起用されたのは、2017年公開の映画『君の膵臓をたべたい』で主演した女優・浜辺美波と、年初アニメ化したマンガ『ポプテピピック』だった。「an」のターゲット層と同年代の旬なヒロインと、過激な言動が人気のマンガキャラのコラボレーションは「ソーシャルでつい話題にしたくなる違和感を狙った」(亀田氏)ものだという。

 初回のキャンペーンは4月中旬から2週間にわたり、テレビCMや交通広告、YouTubeの動画広告、さらにTwitterをはじめとするソーシャル経由のプロモーションで展開。マスとデジタルの広告予算比は「7対3」でスタートした。


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