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“説明いらず、敷居が低い”『LINEで発見!! たまごっち』が学生間で密かなブームを生んでいるワケ


 LINE株式会社は2018年9月に「LINE QUICK GAME」をオープンし、サービスの一つとして『LINEで発見‼ たまごっち』をリリースしました。リリース直後の反響は大きく、現役学生の間でも話題となっています。本記事では執行役員 ゲーム事業本部長の奥井麻矢さん、LINE QUICK GAMEプロデューサーの中田陽平さんに、LINE QUICK GAME始動の背景や「たまごっち」にフォーカスした理由、今後の展望などを学生の視点から聞きました。

LINE QUICK GAME始動の背景

本記事制作を担当した立教大学佐々木ゼミ4班の取材チーム
本記事制作を担当した立教大学佐々木ゼミ4班の取材チーム

―― 現在多くのゲームは個々のアプリをApp Store等、他でダウンロードする形式をとっていますが、LINE QUICK GAMEは「LINE」があればゲームができます。どのような経緯から始まったのでしょうか。

LINE株式会社 ゲーム事業本部 奥井麻矢さん(写真左)、中田陽平さん(写真右)
LINE株式会社 ゲーム事業本部 奥井麻矢さん(写真左)中田陽平さん(写真右)

奥井さん:LINEのミッションは“CLOSEING THE DISTANCE”で、「人と人、情報・コンテンツ、サービスなどとの距離を縮める」ことを掲げています。その中で我々はゲーム事業において、それをどうやって実現できるのかを考えています。LINE QUICK GAMEを始めた理由は、「人とのコミュニケーションの中にゲームがあり、コミュニケーションなのかゲームなのか曖昧になるくらい距離を縮めたい」という目的を達成するためであり、LINE QUICK GAMEはそれを最も体現したゲームであると考えています。

 これまでアプリ事業で知見を貯めてきて、その基盤を活用しゲーム事業を行える土壌が整ってきました。HTML5の登場など技術的な発展も重なり、単体アプリで出さなくても「LINE」上でゲームを楽しめる環境になってきています。グローバルを見れば、中国のWeChatやFacebookのインスタントゲームなどでも、HTML5ゲームはユーザーに受け入れられ始めていると感じています。

プレスリリースより転載
プレスリリースより転載

中田さん:皆さんはゲームアプリをダウンロードして遊んだりしますか?

―― 『LINE:ディズニー ツムツム(以下、ツムツム)』とかでよく遊んでいます。ダウンロードする形式になれていたのでLINE QUICK GAMEは新鮮でした。「あ、こういう形もあるんだ」って。

中田さん:皆さんもご存じだと思いますが、もうすぐ5Gになりネットワークの帯域が広がり、扱う通信の量も増えていくことでしょう。その状況下ではアプリをダウンロードしなくても、今皆さんが遊んでいるようなネイティブアプリと同じぐらいのクオリティのゲームが遊べるようになると考えています。

 現在はまだその準備段階にありますが、その段階でも皆さんに楽しんでもらえるゲームが作れる技術はあるんですね。それを実現している技術の一つがHTML5なのですが、これまでHTML5のゲームはPCベースのものが多く、なかなか広がりにくかった。それを「LINE」のトークから遊べるようにすることで、広がりを作ることができると考えました。

 ゲームへのお誘いをトークで友だちに送り、その友だちがクリックするとすぐにゲームが立ち上がるという体験はアプリではできないことだと思います。5Gに向けての準備という点を念頭に置きつつ、ゲームを介したコミュニケーションを私たちとしては是非やってみたかったのです。

なぜ、「たまごっち」にフォーカスしたのか

―― 現在LINE QUICK GAME中でユーザー数の多い人気のゲームはなんでしょうか。

奥井さん:人気のゲームというと、『LINEで発見!! たまごっち』以外には、『にゃんこ防衛軍』がユーザー数としては多いですね。コツコツ長く遊べるものでいうと、『Dion Ballz(ディノ ボールズ)』ですね。『Dino Ballz』は長くリテンションしてくれるようなユーザーが多いですね。

――人気のゲームが多数ある中、今回なぜ『LINEで発見!! たまごっち』をリリースされたのでしょうか。

プレスリリースより転載
プレスリリースより転載(©BANDAI, WiZ)

中田さん:まずHTML5のゲームを「LINE」でサービスしようと考えた際に、既に売上ランキング上位のタイトルをリリースしてもブームにはなりにくいと考えました。では、どういうものなら毎日多くのお客様に遊んでもらえるかを考えたときにぴったりだったのが、育成ゲームでした。

 そしてみんなが知っているタイトルかつ、説明なしで誰でも簡単に遊べる敷居の低いゲームという観点で検討した結果、「たまごっち」の名前が挙がったのです。すぐに権利窓口であるバンダイさんにお話をしたところ、快くOK をいただくことができました。ところで皆さんに質問なのですが、過去に「たまごっち」で遊んだことはありますか?

――はい、あります。小学校1、2年生ぐらいだったと思いますが、クラスで流行っていました。当時は玩具の「たまごっち」を遊んでいましたが、多い子だと5個ぐらい持っていましたね(笑)。あと、当時流行っていたテレビ番組でもよく見ていた記憶があります。今の大学生であれば、皆どこかのタイミングで「たまごっち」を遊んだ記憶はあるんじゃないかな、と思います。

中田さん:どこかのタイミングで遊んだことがあるのは、そもそもゲームの説明がいらないので大きなアドバンテージになります。『LINEで発見!! たまごっち』がどこまで学生さんに届くのか予想しづらい部分もありましたが、お話を聞いていてやっぱり世代間を超えるIPだなと確信しました。

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この記事の著者

立教大学佐々木ゼミ取材班(リッキョウダイガクササキゼミシュザイハン)

立教大学 経営学部 佐々木宏教授のゼミ生で構成した取材チームです。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 20:45 https://markezine.jp/article/detail/29989

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