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MarkeZine✕立教大学産学連携企画!学生の疑問をマーケティング視点で解く

“説明いらず、敷居が低い”『LINEで発見!! たまごっち』が学生間で密かなブームを生んでいるワケ


まず若者の支持を得て、そこからの広がりを狙う

当日は学生がインタビュアーを務めた。逆に質問される場面も
当日インタビュアーを務めた学生たち。逆に質問される場面も

――ターゲットについて教えてください。学生というお話もでましたが、どのような層を狙っているのでしょうか。その中でもメインターゲットはどの層と考えているのでしょうか。

奥井さん:皆さんのような若者を中心に考えています。まず新しいサービス、体験に敏感な若い層からの支持を得て、世の中に広く普及させる起爆剤になればと考えてます。そのため、メインターゲットは10代~20代です。プレイ時間帯の統計で、休み時間と思われる時間に急激にプレイ数が増えるというおもしろいデータもあります。

中田さん:リアルタイムで測定したときに、なぜ利用者数が一時間ごとにぽこっと上がっているのか、最初は理由がわかりませんでした。これが学校の休み時間と一致するということに気づいて、納得しました(笑)。

―― 確かに休み時間にやってます(笑)。

奥井さん:『ツムツム』も最初に遊んでくれたのは、若者なんですよね。若者のほうがやっぱり色々なことに敏感だから、新しいものに飛びつきやすい。若者や自分の子供が遊んでいると、親や祖父母世代も知るきっかけになる。親や祖父母世代が知ると比較的長く使ってくれるというデータもあります。

 なので、攻め方としてはトレンドを作ってくれる若者をターゲットにして、それ以外の世代への広がりを狙っています。私たちに限らずデジタル系のサービスは全般的にそういう傾向がある印象です。

中田さん:性別でいうと女性にはある程度自然に受け入れられていることがわかったので、今後は現状を継続させつつ、男性も狙っていきたいと思っています。今では『ツムツム』に長くハマっているおじさんたちが、私の周りにも結構いますしね(笑)。

マーケティングの定石は行き詰まっている

―― 若者から自然発生的に起こる口コミを狙っていらっしゃるのがよくわかりましたが、その方法以外に何か集客の施策はお考えではないでしょうか。

中田さん:ゲームのプロモーションのやり方として、一人のユーザーを獲得するためにいくら使うのかを決めて、広告を出稿・運用していくというやり方が王道なんですが、それが行き詰まっている感じがあります。

 これに対して自然派生的な口コミではなく、自動的かつ計画的にユーザー数を増やしていくような仕組みを作りたい、と考えてます。みんなが知ってるゲームをリリースするというのも、その手段の一つだと思います。

奥井さん:アプリのゲームはユーザーがゲームを体験するまでに時間がかかるものが多いんですね。ダウンロードしてさらに遊んでいただくための広告予算も、それなりの規模になります。それに比べてHTML5ベースのゲームはダウンロード不要で手軽に遊び始めることができますし、アプリよりも体験までの敷居が低いのです。

 友だちにおすすめする心理的なハードルも低く、だからこそ広くリーチでき、その上体験として面白ければ、広がりやすいのだと思います。

―― ユーザー目線でいうとグループ単位で遊べるようなゲームがあったらおもしろいと思います。

中田さん:実は私たちもグループ単位で遊べる機能がほしいと考えていて、「LINE」のトーク上で、みんなが遊べるゲームという発想で試作品として早押しクイズを作っていたんですね。結局タイムラグの問題があってサービスとしてリリースするのはやめたんですけど、そういうカジュアルなものがあってもおもしろいですよね。

 リアルの友だち、またはグループで遊ぶという観点から皆さんにぜひ聞きたかったことがあるんですが、『LINEで発見!! たまごっち』って、たまごっち同士で結婚できるじゃないですか。男女間で結婚しますか? それとも同性同士が多いですか?

奥井さん:それは私も聞きたかった!(笑)

―― ……同性同士が多いですね。異性の場合クライメイトとか、すごく仲がよくてネタにできる範囲であればいいんですけど……。男子を見ていても、男子同士で結婚させてネタにしている印象ですね。

中田さん:なるほど。恐らく異性同士よりは同性同士で戯れる感じで遊んでいるのかなって推測していたんですが、今その事例が聞けて良かったです(笑)。そういうコミュニティ内で話題化される機能は、積極的に取り入れていきたいと考えています。

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遠くのインフルエンサーより近くの友だちのほうが影響力大

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この記事の著者

立教大学佐々木ゼミ取材班(リッキョウダイガクササキゼミシュザイハン)

立教大学 経営学部 佐々木宏教授のゼミ生で構成した取材チームです。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 20:45 https://markezine.jp/article/detail/29989

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