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MarkeZine✕立教大学産学連携企画!学生の疑問をマーケティング視点で解く

「想定外は大ヒットしたこと」話題沸騰の台湾ティーカフェ「ゴンチャ」社長に学生が人気の裏側を聞いた

 台湾生まれの台湾ティーカフェであるゴンチャは、日本参入から3年経つ今もなお、長蛇の列が絶えない人気店です。「ゴンチャ(貢茶)」という名前は、古来中国において皇帝に献上された高級茶に由来し、その名の通り本格的な台湾茶を提供するブランド。本記事ではゴンチャジャパン取締役社長 兼COOである葛目良輔さんに、日本においてゴンチャを成功に導いた戦略や、今後のビジョンについて伺いました。

難しいが不可能なわけではない

本記事制作を担当した立教大学佐々木ゼミ2班の取材チーム
本記事制作を担当した立教大学佐々木ゼミ2班の取材チーム

―― 私たちが通う立教大学近くにもゴンチャがありますが、いつも人で賑わっています。そんなゴンチャですが当初、日本進出は難しい考えていたと別メディアのインタビュー記事で語られていたのが印象的でした。なぜそう考えられたのでしょうか。

ゴンチャ ジャパン 取締役社長 兼 COO 葛目良輔さん
ゴンチャ ジャパン 取締役社長 兼 COO 葛目良輔さん

 今もそうなのですが、当時は特にタピオカミルクティーが人気のお店でした。でも、タピオカミルクティー自体が3年前に存在しなかったわけではありません。実は日本では15年くらい前に既に世の中に取り上げられていて、ブームとしては終わっていたんです。

 そんな商品が主力のアジアのブランドが日本で成功するのは、理屈で考えても難しいですよね。特に日本の飲食業界は流行り廃りが非常に激しい。難しいと語ったのはそういう意味でお伝えしました。皆さんも高校時代に流行った食べ物ありますよね。それ覚えてますか? 今でも流行ってますか?

―― 確かにそう言われるとあまり思い出せないです……。でも難しいとわかった上で、なぜ日本への参入を決めたのですか。

 難しいができないわけじゃない。簡単か難しいかでいうと難しいが、不可能か可能かというと不可能ではない。そう考えたわけです。

―― 不可能ではない。でもすごくチャレンジングな選択ですよね……。

 そうですね。まずタピオカミルクティーでインパクトを出すのは難しい。少なくとも私はインスタ映えなどとは縁遠いと思っています(笑)。昨今のブームでいうと、やっぱり写真映えするとか、見栄えがよいとか、ボリュームがあるなどが人気の要因としてわかりやすいですよね。

 ただ、近年でいうとかき氷やポップコーンのような大ヒットを飛ばそうと思わなければ、不可能ではありません。そもそも私としては、大ヒットは狙わない考えで、ブームを起こしたくなかったんです。なぜならブームには必ず終わりが来るから。ブームではなくずっと長く続くスタイルを作ろうと考えました。

 女子学生はタピオカミルクティーに興味をもつかもしれませんが、そこから先は続かない飲み物かな、という印象をもっていました。なのでそこで終わらせず、それこそ22歳以降にも飲んでいただくためにはどうすれば良いのかを考えました。答えは簡単で、タピオカミルクティー屋だって言わなければいいんです。

スターバックスに行く本質的な理由から逆算

―― それは目からウロコです! 何屋にしようと思ったのでしょうか。

 お茶を使ったカフェ、ティーカフェですと言うことにしました。なぜそうしたのかというと、たとえばスターバックス。高校・大学生はスターバックスが大好きです。でもOLになったらスタバなんてもう子供だよねってならないですよね。スターバックスは広くいうとカフェです。カフェというのは流行り廃りというよりも、もはやスタイルとして受け入れられている。

 でもスターバックスへ来店するお客様は、必ずしもコーヒー好きではないんですよね。コーヒー好きじゃないのに、スターバックスへ行く。その理由はスターバックスで過ごす時間であったり、音楽であったり、あの空間がいいなと思って集まるのです。本質的にいうとコーヒー好きだけが集まる場所ではないんですね。

―― そう言われると確かにコーヒーが好きで行くというよりは、その空間が好きで行っているのかもしれません。

 スターバックスとは似て非なる存在ですが、同じような体験を500円前後かつ同じくらいの値段で楽しんでもらえる、お茶をメインとしたカフェを作ったらどうだろうと考えました。大ヒットにはならないけど、お客様が来てくれるんじゃないかと。

 目安としては、10回に1回スターバックスから浮気してくれればいいと考えていました。当時スターバックスが1,000店舗あったので、1000×10%で100ですよね。だから100店舗やろうと思いました。そういった観点で捉えているので、タピオカミルクティーのファンをいかに継続させるかという考えは、実はないんですよね。

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この記事の著者

立教大学佐々木ゼミ取材班(リッキョウダイガクササキゼミシュザイハン)

立教大学 経営学部 佐々木宏教授のゼミ生で構成した取材チームです。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30036

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