「若年層中心」から「オールターゲット」メディアへ
――TikTokは、若年層、中でもF0・F1層に人気のアプリというイメージでしたが、ユーザー層にも変化が現れているようですね。2018年6月に行われた調査によると、日本における新規ユーザーの約30%が26歳以上だとか(TikTok調査)。
西田:サービススタートから1年経ちましたが、ショートムービーの視聴が多くの人に受け入れられるようになったと感じます。1日の総視聴時間も3ヵ月前は30分台でしたが、現在は40分を超えています。
また、一般的に新しいプロダクトの立ち上がり時期は若年層が多い傾向となり、プロダクトの成長に合わせてユーザー層の変化が起きます。TikTokに関しても、その時期に差し掛かっていますね。動画を見ると、子育て世帯やスポーツ、グルメ好きの男性による投稿が増えています。各世代のデジタルネイティブが集まっているんです。
今西:TikTokのユーザーは、広告に対しても、他の投稿コンテンツと同じように「いいね」やコメントをつけています。おもしろいものや、タレントが出演している広告は、その反応が高いですね。ユーザーはもはや、広告として捉えていないのではないかと考えることもできます。ひとつのコンテンツとして違和感のないクリエイティブが、良い広告となっていくのでは? と想像しています。
――先ほどでいう「TikTok風」の広告コンテンツということですね。広告プラットフォームとしての展望もうかがえますか?
今西:テスト配信から、効果が高いという評価をいただいている反面、やはり新規メディアというアドバンテージもあると考えています。そこで留まっていては、一過性のメディアで終わってしまいかねません。ですから、広告配信アルゴリズムの分析や研究、そして代理店様や広告主様からのご意見をもとに、広告プラットフォームとして進化していきたいです。
西田:ユーザーは、スクロールしながら一瞬で動画の好みを判断しています。TikTokのUIは、自分の好きなものを自分のペースで見ることができる心地よさというUXを生み出します。それに沿ったクリエイティブに、可能性があるということだと思います。
今年は、位置情報と連動したものやEC機能を実装した広告などのリリースも検討しています。幅広いクライアント様のニーズが見込めると考えていますので、ぜひ、ご期待ください。
スピーディーなクリエイティブ制作&研究で変化に対応
――2019年もTikTokから目が離せない1年となりそうですね。最後に、広告パートナーとしての展望をお聞かせいただけますか?
本間:クライアント様の要望に添った提案をしていけるよう、3つのポイントで進化を続けていきたいと思います。1つ目は、運用型広告だけでなく、TikTok内の他の広告メニューを組み合わせたソリューションの提案スキームを充実させること。2つ目は、社内データチームと連携し運用型広告の運用自動化を進め、変化へスピーディーに対応する体制を整えること。そして3つ目は、TikTok内のトレンドを掴み、広告のクリエイティブ表現を研究することです。これらを、セプテーニでは注力していきたいと考えています。
仙波:「TikTok LAB」では、WebCMなどを得意とする社内動画制作チームと一緒に、クリエイティブ撮影のサポートも行っています。独自のキャスティングネットワークを活用し、スピーディーなクリエイティブ制作を実現していますので、TikTok広告に適した新しい見せ方の動画のご提案もできたらと思います。