どのようなインフィード広告を見ている?
タイムライン上のインフィード広告は一人ひとり表示内容が異なるが、どのようなインフィード広告の表示が認識されているのだろうか。中にはインフィード広告の存在自体に気が付いていない人もいるため、広告の表示認識者に限定して集計した(図表2)。

ベース:インフィード広告の表示認識者(n=701)/複数回答
表示される広告の種類は「求人」が53%で最多、一方“あまり見たくない広告”も「求人」が最多だった。これは表示される人数が多いためだ。表示される人数の影響をなくすために広告表示者ベースで比較すると、「出会い系・マッチングアプリ」のインフィード広告が圧倒的で実に91%があまり見たくないと回答した。
また、性年代別にどのようなインフィード広告がよく表示(認識)されているのかを示したのが次頁の図表3である。

ベース:インフィード広告の表示認識者/複数回答(単位:%)
実際には他人にどのようなインフィード広告が表示されているかを知る機会はないが、企業が生活者のライフステージに応じてどのようなターゲティングをしようとしているのかを把握するだけでも非常に興味深いものがある。
インフィード広告に対する意識
ユーザーはインフィード広告の“表示回数”についてはどのように感じているのだろうか(図表4)。

ベース:インフィード広告認識者
広告表示が多すぎると回答された割合が多い順にYouTube(44%)、Twitter(25%)、Facebook(22%)、Instagram(21%)だった。LINEは利用者数が最も多いが、インフィード広告が多すぎると回答した人はわずか12%だ。
広告の表示回数がユーザーの許容限界を超えてしまうと、場合によってはユーザーの離反へとつながることもある。ここで注目すべきはYouTubeユーザーの中には広告が多すぎると感じている人が多いにもかかわらず、利用し続けている人も多い点だ。
裏を返せば広告が多くても、コンテンツにそれ以上の魅力を感じているからこそ利用し続けているのだろう。
そして、インフィード広告に対する印象は表示回数だけでなく、表示される広告の種類や状況によっても違ってくる。図表5は“不快な状況”として多い順に並べた結果であるが、「長い動画の強制視聴」、「興味・関心のない内容」、「誤タップによる広告表示」と続く。

ベース:インフィード広告認識者(n=701)
このように閲覧・視聴のために自分の時間を奪われる広告や、自分の意に反するような広告は、ユーザーに対して不快感を与えてしまう。インフィード広告の出稿の仕方によっては、もしかしたら広告主のブランドを毀損してしまう可能性もある。
好感が持たれるインフィード広告とは
広告を出稿する企業は、ターゲットユーザーに自社の商品やサービスを知ってもらいたいと考えている。一方、ターゲットとされるユーザーは、コンテンツのみを楽しみたいのでなるべく広告は見たくないと考えている。しかし、なるべくならば見たくない広告といっても、SNSによってインフィード広告に対する好感度は異なる。そこで、好感が持てる人の割合を集計したところ、Instagramが最多だった(図表6)。

ベース:インフィード広告を認識している各SNS利用者
SNSの登場により多くの人々が、様々な情報や交流する機会を得られるようになった。これらのサービスは無料で利用できるわけだが、ビジネスとしてSNSを支えているのは広告収益である。私自身のSNSのタイムラインにも様々な広告が表示されているが、今回の調査結果を踏まえ、どのような広告がどのくらい表示されているのかを意識しながら利用してみることにしたい。
■調査概要
調査主体:マクロミル・翔泳社(共同調査)
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国15〜59歳でスマホを所有し、インフィード広告表示がある主要なSNSの利用者※LINEはタイムライン利用者に限定(マクロミルモニタ会員)
割付条件:上記対象の出現率に合わせて割付/1,000サンプル
・本文の数値は四捨五入した整数で表記。
・百分率表示は四捨五入のため丸め計算を行っており、合計が100%とならない場合がある。
▼調査レポート
『インフィード広告に対するSNSユーザーの印象とは?SNSや広告の種類別に調査』(HoNote)