Phybbit×アドネットワーク事業者がタッグを組む理由
MZ:SHARED BLACKLISTはどのようなきっかけで立ち上がったのでしょうか。
大月:以前、当社でアドフラウド勉強会を開催した際、参加者の方から「どこかが声を上げて協力しあえる体制を構築しなければイタチごっこは終わらないのでは」と質問を頂いたことがありました。
元々アドフラウドに対して、業界全体で取り組まなければいけないとは考えていたので、その場に参加していたアドネットワーク事業者の方にすぐ声をかけてみたんです。すると多くの方から賛同していただけたので、早速プロジェクトとして立ち上げようとなりました。
二宮:当社はSpiderAFをリリース後からずっと利用させていただいていたこともあり、お誘いいただきました。先ほど挙げた2番目の課題の解決には、Phybbitさんのようなアドフラウド対策を支援する企業の協力が必要だと思っていましたし、業界の健全化を進める上で非常に良い取り組みだと思いました。
山田:当社はSpiderAFを導入していなかったのですが、SHARED BLACKLISTがリリースされたとき、私達も業界に貢献できるのではないかと考えて参画を決めました。二宮さんがお話ししていた業界内でのアドフラウドにおける判定基準の統一を行うには、このような取り組みが必要だと思っていました。
アドフラウド関連情報を全面共有
MZ:SHARED BLACKLISTでは、具体的にどのような情報が共有されるのでしょうか。
大月:基本的には不正なアクセス元のIPや不正な掲載面情報(ドメイン・ URL・App ID)に関するブラックリストです。具体的には、SpiderAFが独自に収集・解析したブラックリストと、SHARED BLACKLIST MEMBERSから報告のあったブラックリストをメンバー間で共有します。
それぞれ、「アダルトだから」「誤クリックを誘発するから」など、なぜブラックリストに入ったのかという判断基準になるカテゴリやレベル情報なども一緒に付与しています。
ただ、最終的にブラックリストに入れるかどうかは各社が判断できる仕様となっています。というのも、明らかにNGなものもありますが、カテゴリによってはOKとしているネットワークもあり、各社で調整できる余白が必要だと考えたからです。
まだ完璧に提供できているわけではないので、そこは各社の意見を聞きながらブラッシュアップしていきたいです。
MZ:二宮さんと山田さんは、SHARED BLACKLISTをどのように活用しようと考えていますか。
二宮:元々、自社開発したアドフラウドサイトの検出プログラムと、SpiderAFによるダブルチェックで不正対策を行っていました。それに加え、SHARED BLACKLISTで提供されるAPIを利用して、SHARED BLACKLIST登録サイトを最初の段階から極力はじき、広告配信しないようにしていく予定です。
山田:当社も同じように、自前で持っているブラックリストとSHARED BLACKLISTを組み合わせて活用することになると思います。