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【攻めを守る】広報担当者が意識すべき万一への備え

 私が広報に携わるようになった2002年当時よりも、広報の重要性が認識され、今はスタートアップ企業でも広報に力を入れる会社が増えました。「攻めの広報」についても意識が高まっているように感じます。その一方で発信した情報による炎上、従業員による悪ふざけ動画の拡散、不正や不祥事による謝罪会見……。こういったことを目にするたびに、万一の場合の守りの広報はどうすればよいのだろう? と不安に思う広報担当の方も多いのではないでしょうか。「攻めの広報」として日々活動している広報担当者が身に着けるべき「守りの広報スキル」とは? 17年間の広報経験から得た基本的な考えをご紹介します。

企業の問題が広まりやすくなっている現代社会

 何か起きた場合は上司が直接対処し、自分自身は守りの広報のスキルが身につかない。そう感じている広報担当者は多いかもしれません。攻めの広報が功を奏し、注目を浴び、そして会社や事業が拡大すればするほど社会的な責任は大きくなるものです。そうすると、何かあった時の影響も比例して大きくなるもの。また、起きたことが、より多くの人に重大な影響を及ぼすとなるとマスコミの扱いも、情報の広がり方も変わってきます。

 10数年ほど前はまだ、IT業界とそれ以外の既存業界には、隔たりがあったように思います。ネット上で炎上しても、その話題はネット掲示板やせいぜいネットニュースにとどまっていました。特にスタートアップ企業などは規模も小さく、少し「やんちゃ」をしても大目に見てもらえる空気感があったように思います。

スタートアップでも大きな報道対象に

 フィンテック、エドテック、HRテック……といったように○○×Techという言葉が多く生まれています。スタートアップ企業が手がける先進的な事業も生活者の生活に密接に関わってくるようになり、問題が起きた時に大きく報道されるケースも増えてきました。何か起きたときに「スタートアップだから」「まだ規模が小さいゆえの未熟さです」では済まされなくなってきているというわけです。

 そしてSNSの普及により、今や企業はガラス張りの状況。取り繕ったりその場しのぎでやりすごそうとしたりしても、誠意がないと見なされれば、それはSNSを通じて一気に拡散します。攻めてばかりで守りがまったくできていなければ、それまで築き上げてきた企業・サービスとしてのブランドや信頼を一気に失いかねません。企業規模を問わず、広報担当者もいざというときのための「守り」について考えておかなければなりません。

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この記事の著者

上村 嗣美(ウエムラ ツグミ)

株式会社サイバーエージェント 全社広報室 シニアマネージャー
大学在学中、当時社員数30人だった株式会社サイバーエージェントにて内定者アルバイトを開始。2000年に入社、社長秘書と広報を兼務で務めたのち、2005年に同社初の専任広報担当として広報部門を立ち上げる。
企業広報からBtoB 事業における広報...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30236

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