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MarkeZine Day 2025 Retail

イベントレポート

マーケ部門を再編成したサンリオ P&G出身のCMOが狙うのは「組織と個人」両方の変革

店舗はマーケ部門が統括 外部パートナーも活用

 「プロフィットセンター」になるための次のステップは、組織作りである。サンリオでは、2018年5月に「中期経営計画」と同時に「Marketing Innovation Project 2021」を発表。マーケティング組織を再編成した。

再編成されたサンリオのマーケティング組織
再編成されたサンリオのマーケティング組織

 具体的には、ほぼ社長直轄となるマーケティング本部を新設。横串の組織となるよう、デジタル統括部、キャラクター推進部、そしてブランドエクスペリエンス統括部の3部門で構成した。部署の名前にもこだわりがあるという。

 「ブランドエクスペリエンス統括部、というのは覚えられない名前かもしれない。でも大事なのは、この名前を読めば、組織が担う内容がわかることです。ブランドを体験することに関してはここが仕切るよ、と書いてある。責任の所在が明確になるのです」(木村氏)

 組織改革の特徴は、リアル店舗の開発や改装をマーケティング本部が担うようにしたことだ。店舗に関する業務は従来、物販事業部やリテール事業部が請け負っていた。しかし木村氏は次のように考え、そのあり方を変えた。

 「お客様がいちばんサンリオらしい経験をしてもらう、最大のタッチポイントはお店です。お店が変わらない限り、サンリオのブランドは絶対に変われません」(木村氏)

 また、ブランド戦略を担うセクションには、営業を支援する人員を配置。立てた戦略を資料化し、営業にも同行する。木村氏は「商品を十分に理解していて、戦略について語れる人が一緒に行く。BtoBでは当たり前に行われていることですが、サンリオにはありませんでした」と振り返った。

 さらに、組織にマーケティングを確実に根付かせるため、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)として、常任の外部パートナーを配置。各施策に紐づく代理店やオウンドメディアのベンダーではなく、プロジェクトを回すために配置された人員だという。

 「去年までやっていなかった新しいプロジェクトを、現在10個ほど回しています。これを納期までに達成できるようにするには、回すだけの人というのが必要だと考えています」(木村氏)

 他にも、戦略のプロフェッショナルとしてクー・マーケティング・カンパニーの音部大輔氏をアサイン。外部との交渉事に強い人材や、データベースの管理ができる人材も招き入れているという。

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CMは顧客より早く「社内」を変える

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30300

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