海外ユーザーは既に来ている⁉日本のECサイト2~8%が海外からのアクセス
国内向けに運営しているECサイトのアクセスのうち、2~8%程度が海外からのアクセスだということをご存知だろうか。月間100万アクセスあるECサイトを運営していた場合、そのうちの2~8万が海外ユーザーからのアクセスということになる。しかし、この2~8%は購入につながらないケースが多い。海外からわざわざ日本のECサイトに辿り着いてくれたのに、サイトが海外対応していないがために、欲しいものが購入できずに離脱するという事態が起きているのだ。
これは、リアル店舗の接客に置き換えてみれば、わざわざ店舗に足を運んでくれた外国のお客様を門前払いするようなもので、非常に無礼な印象を与えていると想像できる。昨今、リアルインバウンドを取り込もうとする動きが活発だが、その一方で、ネットインバウンドは完全に見落とされているのだ。
本記事では、「越境ECビジネス」の本質を掴んでもらいながら、限られたリソースの中でも実現可能な対策について、具体的手法と共にお伝えしていきたいと思う。
世界の越境EC市場規模は2020年に1兆ドルに迫る
まずは越境ECにまつわる数字をご紹介しよう。越境EC市場は、世界規模で拡大している。昨年、経済産業省から発表された「通商白書2018」によると、世界の越境EC市場規模は、2014年に2,360億ドルとなり、その後も拡大を続け、2020年には9,940億ドルに上る見通しだ。また越境ECの利用者数は2014年時点で3億人に対し、2020年には約3倍の9億人を超えると予想されている。「国境」を意識せずに、人々が欲しいものを手に入れられる時代がすぐそこまで来ているのだ。
では、日本ではどうだろうか。日本のEC市場に目を向けてみると、2017年度の国内EC市場規模(BtoC)は16兆5,054億円で、対前年比9.1%の伸び率だった。
16兆円のうち「物販系分野」は8兆6,008億円で、こちらも昨対を上回る結果だ。
国内市場も一見好調に見えるが、楽観的に受け止めてはいない。日本の人口減や超高齢化社会に突入していく中で、国内だけに目を向けていては限界があるという危機感は、以前にも増している。だからこそ、日本のEC事業者が新たな活路として熱視線を送るのが「越境EC」である。しかし、越境ECのビジネスモデルを正しく理解しているEC事業者は少ない。