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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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統括編集長インタビュー

“AIバカ”野口竜司氏、ZOZOグループへ 金山、濱渦、野口の起業家トリオで描くAIファーストな事業


ZOZOで磨いたソリューションを外部へ提供

押久保:ZOZOのために開発したものを、アラタナを通して外部に売る、ということですか?

金山:そうです。僕らにはBtoBの販売チャネルがありませんが、僕らで作ったものは主にブランド様にも適用できるはずなので、僕らで鍛えてカリカリになったソリューションをアラタナを通して売っていく。

押久保:なるほど、ちょっと今鳥肌が立ちました(笑)。Amazonが自社の活用のために開発したAWSを開放しているように展開していくわけですね。それはグループ全体のビジネスを変えていきそうです。“カリカリ”って、いいですね。

金山:まだ実現できていないのですが、濱渦とはずっと話していました。テクノロジーのインハウス化が進んでいるとはいえ、やはりファッションブランドがエンジニアを雇って活かすのはかなり難しいです。

 今は手始めに広告事業から始めていますが、今後はサプライチェーンマネジメントの何かかもしれないし、マーケティングソリューションかもしれない。その創出に、野口さんの経験は強力です。

濱渦:来期は何らかの形で、データ分析と活用の成果をブランド様に還元していきたいですね。ファッション業界全体を儲かる産業にしていかないと、ZOZOグループの成長も止まってしまうので、そこを突破して業界の可能性を広げていく段階だと思っています。

AIでファッション業界の底上げに貢献

押久保:なるほど、ファッション業界の底上げを目指されているんですね。野口さんも同感ですか?

野口:もちろん、そうですね。たとえば、業界では過剰在庫の問題があり、年間約30億アイテムが生産され、約半分が過剰在庫になってしまっているんです。業界全体でAIによる需要予測を実現すれば、適正な生産と利益率の向上につながります。

 パーソナライズの精度を高めれば、在庫を生かしつつ新規性の高い提案もできます。そうすると、生産ありきではないファッション体験を提供できます。当然、大量生産・大量消費は前時代的でエコにも逆行しているので、ZOZOのような企業がそうした社会課題に取り組むのは意義があると思っています。

押久保:これまでお話を聞いていて、既に親和性がすごく高い印象です。活躍の場が多数ある中で、特に直近で野口さんに進めてほしいところは?

濱渦:起業家が楽しめる環境だと言いましたが、何でもできる分、まだ何もできていない状態でもあります。なので、先ほどの「開発し、磨き、クライアントに提供して貢献する」上でまず何から始めるのが効果的か、優先順位をつけて推進してほしいですね。

金山:あまり直近の成果を求めているわけではないんですが、やっぱりこの1~2年でZOZOのAI化を一緒に進めてほしい。僕もその執行に責任をもってやってきましたが、野口さんに入ってもらうことで加速させたいです。

押久保:金山さんと野口さんは、AIを追求する点で完全に一致ですね。

野口:私も、社会人人生をAIに注ぐつもりで活動してきたので、R&Dからクライアントへの貢献を含めて一気通貫でAIファーストをやり切る覚悟です。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/04/03 11:21 https://markezine.jp/article/detail/30676

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