あらゆる施策がWebパフォーマンスに影響する
これら施策の結果、どのような成果が出たのだろうか。月岡氏は、藤原氏から施策成果として次のように共有を受けたという。マジカルサーモの検索数・コンバージョン数はテレビCM放送期間中に数値が上昇。合わせて、ドゥクラッセの指名検索数も増えている。
さらに、ドゥクラッセが行ったテレビCM放送前後のパネル調査でも、ターゲット層に対するブランドや商品の認知度が上がった結果が出ているという。「デザインや品質が良い」などのイメージ付与だけでなく、テレビCMきっかけの来店も上昇。これらの施策の結果、マジカルサーモはドゥクラッセのこれまでの商品の中でも、最も売れた商品の1つとなったそうだ。
ここで月岡氏は、ある仮説を紹介。それは、「テレビCMだけでなく、あらゆる施策がWeb上のパフォーマンスへ影響している」という内容だ。ここでは違う事例も紹介。某アクセサリー系のECサイトにおけるユーザーサポートなどをユーザー目線で改善したところ、Web上でポジティブな口コミ・評価が増加。結果として、ECサイト自体は特別な変更を行っていないのに、SEOパフォーマンスが上がった事例があるという。「Web上での言及や指名検索の量が、SEOへポジティブに働くのではないか」と考えていると話した。
ユーザー体験をデザインすることが重要
ドゥクラッセの成功の要因には、チャネル別に設計された「ユーザー行動の仮説=ストーリー」が挙げられるだろう。そのストーリーに沿ったSEO・SEM施策、店頭などのオフラインまで包括的な施策を行ったことで成果を挙げた。
「コンテンツマーケティングにおいて欠かせないストーリーとは、ユーザー体験をデザインすることです。商品提供後も関わってくるとなると、Webチームだけでなく、商品開発チームなど他部署とも連動して施策を実施することが重要。こうした取組みが、ブランドとユーザーとの信頼関係構築につながっていくのではないか」(月岡氏)
最後に月岡氏はミエルカについて紹介。本事例でも使われていた、検索キーワードを活用したユーザーニーズ分析やWebサイト解析など、手間がかかるが重要な調査・分析がミエルカだと簡単にできる。また、マーケター同士の「横のつながり」を作ることにも注力しており、ユーザー会なども活発に行われているという。
月岡氏は、「ミエルカを活用することで調査分析は効率化し、ヒトにしかできない企画や戦略などの“打ち手”を考えることに集中してほしい」とまとめ、セッションを締めくくった。