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サントリーのデジマを支える組織整備&人材育成とは?黎明期からの担当者が15年間の取り組みを披露

「マス思考の企画にデジタルを足してもだめ」他部門への研修も重要

 2017年に新設された「デジタルマーケティング本部」において、室元氏が指揮を執るデジタル人材育成では、まず部署全体の底上げとして、デジタルの基礎の定着に注力した。

 そして2018年は、各自のレベルアップと先端的なマーケティング手法の開発へ進んだという。社員はそれぞれの業務経歴と合わせて、実務担当者、コンサルタント、講師へとステップアップ。人材のエコサイクルと称し、社内研修講師をチーム内で育成する体制を整えている。

 そして室元氏は、最後のアジェンダ「デジタル専門部署と他部門のデジタル人材育成」について、デジタルの研修を他部門にも拡大していると明かした。店頭施策を実現するのは営業部門であり、ブランド施策を実行するのはブランドマネージャーだが、彼らが初期段階で作り上げる企画がマス思考では、後からデジタルの要素を加えたとしても、効果を最大限に発揮できないためだ。

 他部門の研修ではじめに着手したのは、営業部門。「売り上げ」というわかりやすい指標があり、デジタルの成果を明示しやすいからだ。

 その結果、研修を受けた営業チームは大きく成長を遂げ、売り上げを前年比200%に成長させた担当者も現れた。他事業部でのデジタル人材育成も進めやすくなったという。現在はブランドマネージャーに関しても、3日間の座学研修を行っているそうだ。

 「デジタルマーケティングのフレームワークを理解し、自分のブランドをどのように変化させるかをテーマに、ワークショップを行っています。ファシリテーターは、デジタルマーケティングチームのメンバーです。副次的効果として、彼らのファシリテータースキルやロジカルシンキングへのスキルアップにつながっています」(室元氏)

 これらの取り組みは着実に成果を上げており、海外のグループ会社を対象とした研修も始まった。「人材育成の仕組みがしっかりしており、成長できる部門である」と、デジタルマーケティング本部への異動希望者も増えているという。

 最後に室元氏は、デジタル人材育成について次のようにまとめ、セッションを締めくくった。

 「まずは、社内で取り組む意義・参加するモチベーションを上げるために、デジタル人材育成の目的を明確化しましょう。そして、戦略的に成果が見えやすい部門から取り組むことが大事です。さらに、その部門とは目標以上の成果を出せるよう、確実な協力体制を組んでください。育成内容の設計と合わせて、継続性を持たせるために、育成のエコサイクルも必要です」(室元氏)

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マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/04/23 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30697

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