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データで再構築するテレビマーケティング

「6秒CM」の衝撃 トヨタやウェンディーズ等、先進企業の短尺CMの活用法から実用性を説く

短時間で強いインパクトをもたらす「6秒CM」

 短尺CMの効果について見てみると、短尺CMはすべての年齢層において、15秒と30秒の広告と比べて、1秒あたり8~11%高い注視を集めることが明らかになっています。

出典:「6 Second Ads:Who, How & When to Use」

 また、ARFとTVISION INSIGHTSによる注視度(Attention Index:テレビ画面に視線が向いている度合い)の調査によると、短尺CMには以下のような効果があることが明らかになりました。

●すべての年代で注視度が高くなり、特に50代以上で高くなる傾向がある
●デジタルと異なり、年齢による注視度に差はあまりない
●テレビの総視聴時間が短い視聴者層の間で、非常に注視度が高くなる傾向がある

 若年層がYouTubeのバンパー広告を見慣れていることを考えると、効果は若い人だけに限られるのではと考え思ってしまいがちですが、中高年にも効果的であることがわかってきています。

 また、テレビの視聴時間が短い視聴者とはすなわち、普段テレビをあまり見ないライトビューワーであるものの、広告主としては逃さず捉えておきたい層です。ライトビューワーの注視度が高い短尺CMは、これから先、評価が高まっていく可能性の高いフォーマットだと言えるでしょう 。

 総合的な効果についてはまだ検証中ですが、短尺CMは、短時間で強いインパクトを与え、アテンションをキープさせる力が強いのではないかというのが現段階での仮説です 。

 米国では既に、高視聴率が見込めるスポーツ番組を中心に、短尺CMが高単価で取り引きされています。とはいえ、総合的な効果についてはまだ検証中の部分が多く、素材一つにしても、6秒CMで使う素材については、ほとんどの広告主がYouTubeのバンパー広告をそのまま転用するか、15秒CMの短縮バージョンを使うことが多いのが実情です。どういった形がテレビの6秒CMにおいてベストなのかは、さらなる探求が必要です。

 それでも、こうした新手法に広告主・テレビ局がともに積極的なのは、双方にWin-Winの効果が望めるという期待感があるからであり、探究はこれからもどんどん進められていくと思われます。

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日本でも始まった「6秒CM」の動き

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この記事の著者

郡谷 康士(グンヤ ヤスシ)

TVISION INSIGHTS株式会社 共同創業者/代表取締役社長
東京大学法学部卒。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、事業戦略・マーケティング戦略案件を数多く担当。リクルート中国の戦略担当を経て、上海にてデジタル広告代理店游仁堂(Yoren)創業。2015年よりTVISION INSIGHTSを創業し、代表取締役社長...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/07 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30886

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