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データで再構築するテレビマーケティング

「6秒CM」の衝撃 トヨタやウェンディーズ等、先進企業の短尺CMの活用法から実用性を説く

日本でも始まった「6秒CM」の動き

 一方、日本においても一部の広告主が、「6秒CM」や「Picture In Picture」の活用に取り組みはじめました。

 特に2018年12月には「6秒CM」×「Picture In Picture」のハイブリッドな試みが行われました(関連ニュースはこちら)。博報堂DYメディアパートナーズとTBSテレビが共同で企画し、12月31日の『SASUKE2018』FINALステージ内で放映されました(広告主:ソフトバンク/2018年12月31日18:00~23:55内で5回)。また、同時期に放映されたフジテレビ『フジボクシング2018』(広告主:日清食品/2018年12月30日19:00~21:05内で4回)でも同様の試みが行われました。

出典:プレスリリース

 この2つの番組では、本編の途中で画面が切り替わり、画面左側に番組本編を、右側に6秒CMを並行して同時に映し出すこれまでにない画面構成を取り入れ、視聴者をひきつけました。放送されたそれぞれの番組を分析すると、個人全体の注視度は番組内CM平均値(6秒CM除く)よりも高い結果となったのです。

 実は、こうした取り組みはまったく新しいわけでもありません。日本でも過去に、ローカル番組で番組本編内に「6秒CM」風のコンテンツを放映した事例もありますし、一例ですが短尺CMの概念がほぼ登場していない2010年頃、5秒CMが放映されたこともありました。当時5秒CMを放映したのは、シャープ「プラズマクラスター」、キリンビバレッジ「ファイア」、日本コカ・コーラ「ジョージア」の3銘柄だったそうです。短尺の目新しさで視聴者をひきつけ、売り上げ増を狙うのが目的だったようです。

 とはいえ、過去の経験が充分に蓄積されているとは言い難く、上述した取り組みを見ても、今はまだ模索期というところです。「6秒CM」という新手法を商品としてどう定義づけるかという問題から、価格、クリエイティブ制作まで乗り越えるべき障壁はまだたくさんあるでしょう。

 しかし、大きなきっかけがあれば、「6秒CM」は一気に広がっていくかもしれません。広告主もテレビ局も前例のない新たな取り組みで今後、より市場を開拓していかなければいけない中で、フォーマットの柔軟性による効果向上は、引き続きテレビマーケティングの一環として強い関心を呼び寄せるものとなるでしょう。

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この記事の著者

郡谷 康士(グンヤ ヤスシ)

TVISION INSIGHTS株式会社 共同創業者/代表取締役社長
東京大学法学部卒。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、事業戦略・マーケティング戦略案件を数多く担当。リクルート中国の戦略担当を経て、上海にてデジタル広告代理店游仁堂(Yoren)創業。2015年よりTVISION INSIGHTSを創業し、代表取締役社長...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/07 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30886

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