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Salesforceユーザーのためのマーケティングオートメーション「Salesforce Pardot」の魅力(PR)

4年使ったMAをリプレイスしたクレスト社に聞く、組織全体の体力強化につながるツール選びのポイント

 店舗・商業施設の屋内外広告やデジタルサイネージの企画施工などを展開するクレストは、4年間使用したMAをセールスフォース・ドットコムが提供する「Pardot(パードット)」に変更。これにより、新規受注の増加のみならず、業務スピードの改善や組織全体の体力強化などの成果が得られたという。同社の代表取締役社長の永井俊輔氏と、ITシステムを統括する峯拓也氏に、Pardot導入に至った経緯とその成果を聞いた。

2014年にMAを導入 しかし……

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、クレストの事業内容について伺えますか?

永井:当社は1983年に創業した会社で、店舗向け看板の製造・取り付けから事業をスタートしました。現在は看板だけにとどまらず、店舗や商業施設などの屋内外広告やウィンドウディスプレイ、デジタルサイネージなどの事業も展開しています。単なるディスプレイの企画施工ではなく、デジタルとITを活用することで、レガシーマーケットのイノベーションを推し進めています。

株式会社クレスト 代表取締役社長 永井俊輔氏
株式会社クレスト 代表取締役社長 永井俊輔氏

永井:具体的には、カメラやビーコンなどを活用し、リアル店舗における顧客の行動トラッキングや、陳列の仕方による売上の影響度を測るといった事業を展開しています。

 また、実際に自社でもリアル店舗を運営しています。2003年に買収した「IN NATURAL」というガーデニング店ですが、現在はライフスタイル雑貨や衣料も取り扱っており、こちらもITを活用したステップアップを目指しています。当社の企業理念は「レガシーマーケットイノベーション」なのですが、自社自身もデジタルを活用しながら新しい取り組みを進め、成長していくことを目指しています。

MZ:なるほど。そういった企業理念もあり、早くから営業やマーケティングにデジタルを取り入れてきたわけですね。

永井:そうですね。Sales Cloudは2011年から導入しており、2014年にはMAの導入も開始しています。当時は他社製のMAを導入したのですが、近年いくつか課題が目立つようになりました。そこで、社内ITシステムを統括する峯と共に、MAの再検討を始めたわけです。

既存MAにおける3つの課題

MZ:既存のMAに、どのような課題が浮上してきたのでしょうか?

峯:Sales Cloudが社内の基幹システムとして機能し始めるようになり、あらゆる情報の集約/統合が進みました。それにより、当時動いていた他社製のMAが徐々に使いにくくなってきたのです。具体的なエピソードはいくつかあるのですが、「MAとSales Cloudをシームレスに使えない」「UIが直感的にわかりづらい」「MA利用者の教育に時間がかかる」という3つの課題に分類できると思います。

株式会社クレスト 取締役 経営管理本部長 峯拓也氏
株式会社クレスト 取締役 経営管理本部長 峯拓也氏

峯:「シームレスに使えない」という点についてひとつ例を挙げると、Sales Cloudと他社MAはログイン画面を含めて別の異なるシステムでした。当社ではSales Cloudのキャンペーンを深く活用し、マーケティング施策ごとに分けて管理をしておりますが、個々の施策の成果について詳細な確認をする場合は実行プラットフォームであるMA側で確認しなければならず、それがオペレーション上の負担になっていたのです。

 また、見込み顧客のWebアクセスを通知するアラートメールについても、直近のアクティビティについてはMAにログインしなければわからないことも課題でした。営業が直感的に「これは重要な通知だ」と把握しづらく、後回しにしてしまうケースが起きてしまっていたのです。

 営業が数字を作っていくためにも、アラートメールは重要な役割を担っているのですが、実際の業務ではアラートメールが活躍しきれていなかった。どんなに苦労してMAでシナリオを設定しても、MAを使わない社員にはそれがわからないですし、内容もパッと見てわかるようなものではないため、現場もアラートメールをつい後回しにしてしまっていたのです。

社員がMAを使いこなせず、蓄積された資産が無駄に

MZ:MAとSales Cloudを組み合わせたオペレーションがうまく機能しなかったわけですね。

峯:はい。全体的な印象でいえば、専門家でないとわかりにくい設定や画面が多かったんですね。そのため社内でもMAを使える人材は、社長の永井ともう1名の社員に限られていて、なかなか他の社員にまで浸透しませんでした。忙しい2人なので、他の社員をつきっきりで教育するわけにもいかなかったのです。

永井:社員教育について補足すると、他社のMAは自分で数式を組み立ててキャンペーンを設定していくようなスタイルだったんです。導入時には、私一人でそのMAを学んで、設定やらキャンペーンやらを作り込んでいったのですが、元々プログラミングをやっていたわけではないので、最初は戸惑うことばかりでした。

 そのMAを導入して4年経っていたので、そうして設定したマーケティング施策は多数の資産として蓄積されていました。ただ、たとえデジタルマーケティングの素養があったとしても、そのMAを知らなければ、どんな施策を打っているのかは理解できません。まさにコードを読むような感じですから。

永井:当社では、営業職で入社するとまずSales Cloudの使い方を研修で学び、レポート作成などを行うことになっています。ところがSales Cloudのほうは研修で覚えることができても、MAのほうはかなり専門的で難しいので、慣れるには相当の工数が必要でした。そして現実問題として社員の間でMAの習熟度がなかなか上げられなかったのです。これは経営的にもかなりマイナスでした。こうしたこともPardotへの切り替えを後押ししたわけです。

直感的に使えるPardotを導入

MZ:MAとSales Cloudを連携してはいても、シームレスに業務が回らず、さらに難しくてわかりにくい。社内にMAの活用ができる人材を増やせないという課題があったわけですね。

峯:そうです。Pardotは当然ながらSales Cloudとの親和性が高いので、一度ログインすればシームレスに情報がつながりますし、Webにアクセスがあった場合もすぐSales Cloudで確認できます。

 また画面についても直感的で非常にわかりやすく、現場も高く評価しています。新しい営業職の社員が入社しても、当社の基幹システムであるSales Cloudを習熟していけば、自動的にPardotのほうにも慣れていくので、社員研修の工数を減らせるという利点もあります。

MZ:ツールの習熟が効率的に進むのは大きなメリットですね。Sales Cloud、Pardotを習熟するには、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。

永井:3ヵ月かければかなり慣れてくると思います。Sales Cloud、Pardotまで合わせて半年ほどで習熟できるのではないでしょうか。

PardotによりPDCAサイクルを迅速化、組織体力も強化

MZ:直感的なUIにより、習熟しやすくなっているのですね。Pardotを導入したことによる効果を教えてください。

峯:昨年の新規獲得件数のうち、3割ほどがPardotを活用したことで生まれた案件でした。当社では、展示会やWeb経由でリードを集め、その情報をPardotに入力し、インサイドセールスがリードデータの精緻化やナーチャリング、アポ獲得を行うのですが、新規案件の3割はこうしたインサイドセールス活動から実際の受注につながったものです。

 現場からも、画面が直感的でわかりやすいという評価が上がっています。特に、これまで他社MAにログインしないとわからなかったキャンペーンの効果測定が、Sales CloudとPardotでシームレスにできてしまうので、非常に使いやすくなりました。PDCAサイクルのスピードも上がったという実感があります。

 アラートメールにしても、Sales Cloudで確認できるので、営業からすると以前のような見逃しや後回しがなくなりました。誰がいつ・どんな頻度で・どのページを見ているかといった営業に必要な情報を表示してくれるので、重要なアクティビティを見逃さずに営業活動につなげられるようになったと思います。

永井:当社はインサイドセールスとマーケティングが融合した組織構造になっています。営業職はSales Cloudの利用が必須ですが、ツール同士の親和性が高いため、Sales Cloudに慣れればそのままPardotへも応用できます。つまり、これから先に営業職で入社する社員は、全員がSales CloudとPardotの両方が使える、いわば「インサイドセールス」と「マーケティング」両方に必要なスキルを身につけられるということです。これは、社員一人ひとりのキャリアにもプラスですし、組織全体の体力強化にもつながると考えています。

MAは基幹システムとの親和性を見て選ぶ

MZ:他社製のMAとPardotの両方を利用した経験から、MA選びのポイントやコツを教えてください。

永井:やはり、基幹システムとの親和性は重要だと思います。MAとSFAは、ベンダーが違っても連携はできますが、やはり親和性が高いほうが使いやすいです。機能比較で優劣を付けても、どの製品も必ず機能改善や拡張を行うので、機能軸だけで判断するのはあまり意味がありません。それよりも、自社の基幹システムとの相性で判断したほうが、後々のオペレーションや教育面で負担が少ないと思います。

MZ:機能面や価格だけで判断するのではなく、既に活用しているシステムとの相性も考えていく必要があるのですね。最後に、今後の展望をお聞かせください。

峯:Pardotを導入し、PDCAサイクルの迅速化が実現できました。今後は、これまで以上にデータドリブンなマーケティング活動が展開できると期待しています。

永井:データが蓄積されれば、たとえば「この事業のこのサービスに関心がある人は、こっちの商品を買う確率が高い」という、事業をまたいだインサイトが見えてくるかもしれません。今後、これまでとは異なる事業領域に進出するとしても、そうした情報資産により、新規アプローチがしやすくなるかもしれない。Pardot導入により、今後のさらなる事業の成長を期待しています。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/30926