真摯に広告内容を伝えられた数だけをカウント
MZ:LINE Ads Platformのインプレッション定義が6月1日から変わりました。具体的には何がどう変更になったのでしょうか?
北出:今までは広告のクリエイティブ領域が1ピクセルでも表示されればインプレッションとしてカウントされていました。6月1日からは、広告のクリエイティブ領域が100%表示されて初めて1インプレッションとしてカウントされるという形に変わりました。
MZ:企業や代理店からそういった変更の要望があったのでしょうか?
池端:いえ、特にこれまでに要望があったわけではありません。
北出:主要なSNSのインフィード広告も1ピクセル表示でカウントされていることが多いので、ある意味それが当たり前でした。ただ、昨今はサードパーティのサービスを使ってビューアビリティを計測すべきという議論もあって。それならば、広告プラットフォームとしてインプレッションを100%でカウントするのが誠実ではないかと考えるようになりました。実際に広告主の皆さんへの還元価値という意味でいうと、きちんと広告が届けられなかったユーザー分のインプレッションが減るので、クリック率や、動画においては視聴完了率なども含めた数値も必ず上がります。その上で、ブランドリフトなどの数値にも良い影響が出ると思っています。
池端:広告主や代理店の皆さんに、インプレッション定義をこう変えますと説明をしに伺いましたが、「非常に誠実な対応ですね」「驚きました」というリアクションをいただきました。広告主の方にとっては使いやすくなるし、代理店の方からは胸を張ってご提案しやすくなると評価をいただいています。
MZ:他に今回変更される点はありますか?
北出:動画広告のレポートがより詳細になります。今まではインプレッション、インビュー、視聴完了の3つの項目でレポートを出していました。それが、インプレッション、3秒再生、25%再生、50%再生、75%再生、95%再生、視聴完了の7つの項目でレポートが出るようになります。
メリットを実感してもらい、利用数を伸ばす
MZ:広告主にとっては良い変更となっても、LINEとしてはインプレッション数が減れば収益も減りますよね?
北出:短期的には、一定量は減るでしょう。ダウンリスクも考慮し、かなり議論を重ねてこの結果にいたっています。ただ、広告主の皆さんにとってはメリットが大きいので、誠実に向き合っていれば、今後利用数は上がっていくだろうと考えています。まずは使っていただいて、今回の改善の成果を実感していただければと思います。
MZ:どのような経緯で、このような思い切った変更にいたったのでしょうか?
池端:実は1年くらい前から社内で議論を重ねてきました。もちろんそれまでは、その形が最適解であると考えてインプレッションの定義をしてきたわけですが、時代や環境の変化に合わせてもっと今に相応しい形があるのではないかと。ただ、LINE Ads Platform自体が2016年6月にスタートした歴史の浅いサービスですから、インプレッション定義の変更を判断するためのデータがあまりなかったのです。そのため、本格的に変更について詰めていったのは、昨年末あたりです。そして社内で数値の検証などを行い、実際に広告主の方にメリットがあることがデータでも検証され、やはり変えるべきだろうという結論にいたりました。全国大中小くまなく、企業の皆様に当たり前に使っていただけるプラットフォームになるためには、誠意を持って、そうするべきだと考えました。
北出:LINEの広告サービスを使っていたけれどやめてしまったとか、出稿するか迷っていたけど出さなかったという企業にはこの機会に出稿していただいて、LINE Ads Platformの価値や届くユーザーの数などを体感していただけたらと思っています。