個別・複数KPIの設計が可能 多次元分析で無駄のない配信も
――「Scibids」は、広告主にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
Leroy:まず、「Scibids」では個別のKPIを設定し、最適化することが可能です。広告主は事業領域や成長のフェーズに応じて異なる目標をもっていますが、私たちはその策定・実行を支援します。
具体的には、入札価格設定やデータドリブンな予算配分、潜在顧客の発見といった観点や、ビューアビリティを加味したKPIの設定を行うことができます。
山口:複数のKPIを設定し、追跡することが可能なところも魅力です。この機能が、戦略策定の幅を広げてくれるのではないでしょうか。
Leroy:実際に「Scibids」を活用している企業は、潜在顧客の発見とリターゲティングという二つのKPIを一つの戦略に内包した上で、その両方にアプローチしています。一方を実行することが、もう一方の利益につながるという場合は多く、ビジネスに大きなインパクトを与えることができます。ただし、すべてのKPIが同じ方向性であることを精査した上で取り組むことが必要です。
さらに、最先端のAI・機械学習技術を活用してインプレッションの質を判断しており、より無駄のない広告配信を実現できます。一般的な自動入札機能では、デバイスやオーディエンス、配信媒体など単一の要素に関してインプレッションの良し悪しを判断する「一次元分析」が行われており、最適化されている中にも効率の悪い配信が含まれてしまうことがあります。
これに対して、「Scibids」は複数の要素を重ね合わせて分析する「多次元分析」によって、効率的な入札を実現しています。
山口:「Scibids」は、単に「機械学習ができます」というものではなく、より複雑な変数について最適化できる点が強いと思います。Leroyさんは「インプレッションの質を規定する変数は50程度ある」と話していたのですが、それらを緻密なロジックに基づいて分析していることが導入の決め手でした。
別の観点では、レポート作成やキャンペーンの調整といった比較的単純な作業を「Scibids」によって自動化し、当社のコンサルタントはキャンペーン設計やターゲット分析、メディア戦略などに注力するという効率的な作業分担も可能になっています。これによって、広告主が抱える本質的な課題により深く向き合えるようになりました。
日本での導入事例も!4週間でCPAが40.8%改善
――「Scibids」の導入成果について、事例とともにお話しいただけますか。
Leroy:実際に導入いただいた企業に、スペインのホテルブランド「Melia」があります。同社は約370のホテルとリゾートを40ヵ国で展開しています。
同社はメディアの買い付けに関して、良質なトラフィックやWebサイトへの訪問数といった観点を組み合わせた独自の戦略をもっており、「質の高いトラフィックの生成」「ROIを高める」という2つのKGIを掲げていました。
「Scibids」を使い始めて約1年が経過したところで、導入によるリフトを計測してみたところ、ROIは4倍、トラフィック生成数は2倍になっていたことがわかりました。複数の指標を設定できる「Scibids」の強みを活かして、「質の高いトラフィックを生成する」「ROIを高める」という2つの課題を解決できたため、私たちも大きな手ごたえを感じました。
山口:当社においても日本の幅広いお客様へ導入を進めているのですが、想像以上のパフォーマンスを発揮しています。
たとえば、大手健康食品メーカの腸内環境を整えるサプリのマーケティングで、「Scibids」を用いた広告配信を今年1月に開始しました。このケースでは、約4週間の学習期間を経て、40.8%のCPA改善が達成されました。「Scibids」は導入してから比較的早い段階で結果が出るという特徴があるため、お客様にも自信をもってお勧めできます。