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データで再構築するテレビマーケティング

2019年は「Advanced TV元年」になるか 地上波テレビに押し寄せるデータドリブンの波

 テレビ版アドテクノロジーとも言える「Advanced TV」が海外のCM市場では台頭し、いよいよ日本でも「Advanced TV元年」の到来が予感されます。Advanced TVとは、テクノロジーを活用してCMの出稿を最適化することを示す広い概念です。その中には、「Addressable TV」「Programmatic TV」「Data-driven Linear」といった様々なテクノロジー(手法)が含まれています。今回はAdvanced TV、およびその中に含まれる様々な手法・概念について解説します。

「Advanced TV」という新概念

(c)shutterstock.com/Omelchenko

 「Advanced TV」とは、CM枠を選定する際に、第三者データや自動入札、世代ごとのクリエイティブの出し分けといったテクノロジーを駆使して、CMの出稿を精緻化していく手法です。一言でAdvanced TVと言っても、中には様々な手法が存在し、特に主なものは以下の3つと言われています。

Addressable TV:視聴履歴や世帯構成などから最適なCMを分析し、同じCM枠でも、地域レベルや世帯ごとにCMを差し替える手法。ターゲットでない世帯にCMが届くリスクを低減する。

Programmatic TV:CMで自動取引を行うという考え方。購入可能な枠に対して入札を行い、最も入札金額が高かったCMを実際に放送する仕組み。アドテクノロジーの世界におけるRTBに近い。

Data-driven Linear:地上波(Linear/リニアは米国における概念で、直訳が難しいが、日本の文脈では「地上波」と捉えて問題ない)において、データに基づき、枠の価値づけを進めていくアプローチ。番組視聴者の属性データと、第三者データ(注視データ、購買行動データなど)を組み合わせて、広告主にとって最適なCM枠を導き出す方法。誤解を恐れずに言えば、CMを配信したいターゲットの「含有率」の定義をデータによって数段階深め、「含有率の高い」枠を特定する手法とも言える。

 おそらく、直近で米国のテレビ広告費全体の5~10%がAdvanced TVになると見込まれていますが、その急成長の中核を担うのは、Data-driven Linearであると思われます。

 テレビの場合、Addressable TVやProgrammatic TVに挑戦するには、莫大な費用をかけて複雑なシステムを構築するところから始める必要があり、高いハードルがあります。一方で、Data-driven Linearはデータの組み合わせを工夫することで実現可能であり、システム構築に比べて相対的に手軽に実現できるため、実用性が高いという評価を受けています。

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この記事の著者

郡谷 康士(グンヤ ヤスシ)

TVISION INSIGHTS株式会社 共同創業者/代表取締役社長
東京大学法学部卒。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、事業戦略・マーケティング戦略案件を数多く担当。リクルート中国の戦略担当を経て、上海にてデジタル広告代理店游仁堂(Yoren)創業。2015年よりTVISION INSIGHTSを創業し、代表取締役社長...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31107

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