一度の接触で終わらせず、ANAのエコシステムへ誘導していく
――ANAではInstagramを工夫しながら活用することで、言語や文化を超えたブランド認知に取り組んでいることがわかりました。2020年には東京オリンピックを控えており、グローバル向けのプロモーションを加速させる企業は増えていきそうですね。
希代:Instagramの国内月間アクティブアカウント数は3,300万を超えて成長していますが、グローバルでは10億にものぼり、グローバル向けプロモーションにご活用いただく企業様は増えています。
国際的な第三者調査機関であるIPSOSによる調査「Instagramが日本経済に与える影響」によると、調査対象となった国内の中小企業のうち43%が「Instagramの投稿がきっかけで国外から顧客が訪れたことがある」と回答しています。また、2017年のインバウンド観光による経済効果のうち9%にあたる3,747億円にInstagramが関わっていたという推計も紹介されていて、Instagramは国外の顧客にリーチするのに適したメディアであることが伝わると思います。
さらに、オリンピックが近づいていることもあり、Instagramを使ったグローバルプロモーションにアスリートを起用したいというお問い合わせもいただきます。Instagramは、アスリートの勝負の一瞬だけでなく、トレーニングの舞台裏やプライベートの様子を知ることができることから、アスリートをより身近に感じられる場所です。ANAさんの所属アスリートもInstagramをご活用いただいている方も多く、グローバル認知を高める施策の一環として、アスリートとコラボレーションしたプロモーションに取り組むのも良いと考えています。
――ANAではInstagram運用に関して、どのような点に手ごたえを感じていますか。
平口:これまでリーチできなかった層に届いているのは、評価するべきポイントだと思います。まだ飛行機に乗って日本に来たことがない若年層についても、早い段階から積極的にリーチし、ANAを認知してもらえる機会があることは貴重だと思っています。彼らが日本に来るとなった暁には、一番にANAを想起してもらえることが理想です。そのため、基本的には短期ではなく中長期的な目線でアカウントを育成しています。
片山:Instagramの運用が、潜在ユーザーとの向き合い方を考えるきっかけになりました。一回の投稿で成果を実感できることはほとんどないはずなので、一度接触したユーザーをいかにANAのエコシステムに誘導できるかを重視していきたいと考えています。
――最後に、今後「All Nippon Airways」を通して挑戦してみたいことを教えてください。
片山:目下の目標は、ANAに親近感を持ってもらえるような投稿を通じてユーザーとの距離を縮めることです。またUGCの活用も積極的に考えていきたいです。
平口:データ活用をさらに加速させることも目標のひとつです。コメントを寄せてくださるお客様がどんなことを考えているのかをより深く知るために、テキストマイニングにも取り組みたいです。また、ブランディングにとどまらず、航空券予約などの獲得を目的とした海外配信にも発展させていくためには、SNSと自社サイトのクッキーデータを紐づけて分析し、広告パフォーマンスを高めていきたいですね。
Instagramのマーケティング活用事例は、フェイスブックの「Instagram Business」にて紹介されています。詳しく知りたい方はこちらから!