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ホリスティック・マーケティング入門 ~PGMから始めるWOMマーケティング~

第1回 PGMとはなんだろう?


Buzzはお金では買えない

  しかし最近は、そのCGMに対するマーケティングがエスカレートしすぎているきらいがあります。それは「ブログに記事を書いたらお金がもらえます」というようなサービスが増えていることです。

 これらのサービスメニューはとてもシンプルです。代理店は、企業が新商品の紹介をする際に、企業に代わって自社サービスに登録しているブロガーに情報を提供します。その後、ブロガーが自らのブログに記事を書いてくれた場合に1件あたり数百円程度の報酬が代理店からブロガーに支払われます。さらに代理店は企業から掲載件数に応じた費用を受け取る、というものです。

 アフィリエイトが商品の販売数や販売金額に応じて対価が支払われるのに対し、記事を書くだけで対価が支払われるのが特長です。

 このようなペイドパブ(=記事広告)はこれまでも雑誌などでは行われてきたもので、CGMがメディアとして成長していることを考えれば否定するものではありません。むしろCGMにそういった媒体パワーがあると評価されてきたことは歓迎すべきものだと思います。

 しかし雑誌の場合は必ず「広告」という表記がページ内でなされ、それがペイドパブであることが明示されています。

 にもかかわらず、上記のようなサービスの大半ではそういった表記がなされていません。これは今後CGMがメディアとして成立していくことの妨げになりかねないと筆者は危惧しています。

 はっきり言えば、お金で記事を書かせることはできても、その内容はコントロールできません。もちろんお金のためならなんでもする人もいます。あなたが望んだとおりの内容を書かせることもできるかもしれません。しかしCGMを構成する多くのブロガーはむしろそうした姿勢を非難します。

 大事なことは、CGMはこれまでのメディアとはまったくちがうということです。一般に、CGMとして捉えると、全体としてひとつの塊として見てしまいがちなのですが、実際には構成するひとりひとりが意思を持った人間(ブロガー)なのです。そこを見誤り、CGMをコントロールしようとした時点で失敗するのです。

 筆者はこのような状況を非常に危険だと感じています。今こそ企業はブロガーとの正しいコミュニケーションを模索しなければならない段階にきていると思います。

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/11/24 12:47 https://markezine.jp/article/detail/312

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