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西口一希と考えるマーケティング視点の経営

「成長したいならやっぱりPL責任。早く修羅場に飛び込むべし」スマニュー西口×シンクロ西井対談

数字で成果がわかることがマーケターの醍醐味

西口:そこも、はっきりしていますね。でも逆に、はっきりしているから入り口でマッチングできるし、結果にもつながりやすいのだろうと思います。それにしても、主軸のオイシックスに加えて10社ものクライアントに深く入り込むのは、ヘビーですよね。デジタルが当たり前になって、数字が見えやすくなってスピードも格段に上がったから、余計にそうじゃないですか?

西井:確かに、結果が出るのは早いですよね。だからダメならすぐ変えればいいので、ヘビーじゃないとはいえませんが、そんなに気負っていないです。

 それに、仮説が当たって数字に表れたときが、マーケターとしていちばんうれしい瞬間じゃないですか。そこを味わえるから、伸びないときの苦痛にも耐えられる。

西口:それは実感しますね……。

西井:ですよね? マーケターって、基本そうじゃないかなと思います。旅も同じで、“どこでもドア”で世界の絶景を回ったって、全然おもしろくないし手応えもないと思うんですよね僕は。苦労してたどり着いた場所だからこそ、印象に残る。

西口:マラリアにかかったりしながら。

西井:そうそう。アフリカのセネガルからマリ行きの電車に、ぎゅうぎゅう詰めの蒸し風呂状態で56時間、とか。でも思うんですが、デジタルマーケティングをずっとやってきて、このトライ&エラーはバックパッカーの旅に似ているところがありますね。道を間違っても、別に戻ればいいので。

PLを把握できてこそ事業成長に貢献できる

西口:言われてみれば、そうですね。西井さんは誰もやっていない、壮大なことをしている割に、とても自然体なのが印象的です。

西井:旅も経歴も、改めて話すと行き当たりばったりだなと思いますが(笑)、そのときどきで好きなことしかやっていないのは共通していると思いますね。好きな人としか組まないし。

西口:そこ、自分がのびのびと能力を発揮するためには、実は重要なのかもしれないですね。それから行き当たりばったりといっても、やはり20代のキャリアからPL責任を持たれていたことはその後のキャリアにもプラスになっているんじゃないかなと思いました。

 先日MarkeZineでPL責任をテーマにインタビューをしてもらったんですが、すごく反響があったんですね。加えて今日の話も冒頭からずっと、西井さんはPL責任を当たり前のように持ち、PLを把握できないと自社だろうと他社支援だろうと成長させられないとおっしゃっている。

 なかなか同じ経歴はマネできないと思いますが、今後のマーケターにアドバイスするなら、やはりPL経験は必須だと思われますか?

西井:そうですね、修羅場には間違いないですが、そこをクリアしてこそ力になると思います。PLを持つことは、すなわちその会社に対してビジネスモデルを作ることですし、マーケティングというよりビジネスそのものに対する基礎体力がつく。守破離でいう、「守」みたいなものかなと思います。シンクロでも私は社員全員にPLを開示していますし、常に意識付けるようにしています。

 僕は最初の会社で広く浅くビジネス全体を見られて、その後の経験で自分なりの型をブラッシュアップできました。30代のうちにそういう型をひとつ持てると、じゃあその上でどこを突き抜ける強みとするかを考えられるので、いいと思いますね。

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この記事の著者

西口 一希(ニシグチ カズキ)

大阪大学経済学部卒業、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)マーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任。ロート製薬 執行役員マーケティング本部長として「肌ラボ」「Obagi」「メラノCC」「デオウ」「ロート目薬」などの60以上のブランドを統括。ロクシタンジャポン代表...

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高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/31300

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