テレビCMを使わない、認知拡大を狙った大型キャンペーン
MZ:今後はどのような施策を実施されるのでしょうか。
長野:この7月から、「スマホファースト」をキーワードに、Instagramを軸にした大型プロモーションの実施を開始しました。
MZ:Instagramを軸に据えた理由は?
長野:認知をとる施策というと、一般的にはテレビや雑誌などのマス媒体を活用しますが、私たちのお客様にはそこではリーチできません。レシピストのメインの顧客である若年層に最も効率的にリ―チするために、既存のマス媒体ではなく、若年層が普段から見ている媒体や場所に振り切ったほうがいいと判断したのです。Instagramだけでなく、YouTubeや駅広告も戦略的にメディアプランニングを組んでいます。
高瀬:その裏側で、各媒体を横断した個々の施策の結果の良し悪しを、データで判断できる設計図を作り、結果を見ながらチューニングできるようにしています。レシピストはEC専売商品ということもあり、認知が高まり、顧客が欲しいタイミングでECサイト上で商品の購入がスムースにでき、手元に届くまでの物流が滞りなく進行することが重要です。そのためには、マーケティングチーム内だけでなく、EC事業部やIT部門など、部署を越えて調整・連携をサポートさせていただいています。
変化の激しいマーケットに柔軟に対応し、成果の出せる組織へ
MZ:ゆくゆくは自分たちで効果検証し、社内にナレッジを貯めていく状態になるのがゴールだと思います。レシピストチームが自走できるようになるまでのスケジュールはどのように設定しているのでしょうか?
高瀬:まだ、明確な時期は決めていません。今年から取り組みを始めて、最初の3ヵ月はレシピストというブランドと、お客様の理解に徹しました。次の3ヵ月でプロモーション施策の効果検証するための環境構築を進め、徐々に基盤ができています。すべての施策はレシピストのお客様ありきで行われるものなので、お客様の変化に合わせて施策も変えていかなければいけない。また新たなプラットフォームが台頭するかもしれないので、柔軟に対応しつつ、私たちがお役御免になる状態を目指しています。
長野:私がハートラスさんに期待しているのは、施策を体系化し、処方箋を作ってもらうことです。処方箋を見れば誰でも同じように施策を運用できる状態になるのがベストですね。高瀬さんのお話にもありましたが、いつ新たなプラットフォームが出てくるかわかりません。大事なのは資生堂を主語にせず、お客様である若年層の変化を捉えること。彼らが何を求めているのかを読み取ることです。
変化を把握し、ユーザーインサイトを理解したうえで施策に落とし込み、効果検証できるようになるまでは、まだ時間が必要です。1年か2年なのかはわかりませんが、変化に対応しつつ、安定した成果を出せる組織をハートラスさんと一緒に構築していきたいですね。
高瀬:やはり、ツールやデータという手段ありきのサポートではなく、チームビルディングやナレッジ蓄積にどれだけ貢献できるかがインハウス支援においては重要だと思っています。有り難いことに、近い距離感でお仕事させていただいており、今や自分たちをレシピストチームの一員と認識しています。今後も誠実に、かつ要望に対してはスピーディーに応えるといった日々のコミュニケーションの積み重ねの中で信頼関係を構築しながら、一緒にブランドを成長させていきたいです。