生活者が売ることを前提にしたマーケティングを
MZ:今後のオフライン施策に関する構想はありますか。
田面木:人口減少による労働力不足に対応するため、人手をかけずに発送する仕組みを充実させていきたいですね。たとえば、日本郵便様の「はこぽす」、ヤマト運輸様の「PUDOステーション」という宅配ロッカーでの発送を可能にしています。これにより、人を介さずに発送手続きを行えるようにしました。
このような取り組みを通じて、誰もが出品しやすい環境を整備していければと思います。

MZ:より出品に対するハードルが下がりそうですね。今後CtoC市場が拡大すると、企業のマーケティングに対する影響も大きくなると思いますが、その点に関してはどのようにお考えですか。
田面木:4月に当社が発表した『2019年度「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査』では、フリマアプリ利用者の約3割が「新品の商品購入単価が上がった」と答えています。
この結果から、売ることを前提に買い物する人が増え、高額商品を購入するハードルが下がっていると読み取れます。それに対応するように、リユース前提の商品設計を始めるメーカーも増えてきています。
二次流通が広がると新品が買われないのではと懸念される企業のマーケターの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は補完関係にあると思っています。二次流通が広まることで、一次流通も活性化されていく傾向が我々の調査からは明らかになっています。
不要になったら捨てるのではなく「メルカリ」に出品して、自分はまた別のお気に入り商品を探して買う。このように、価値あるモノが自然に循環していく流れが形成されつつあることは、マーケターの皆様からも認識されつつあると思います。
MZ:メルカリのオフラインを含めたCXの設計も参考になりそうですが、二次流通されることを含めたマーケティングも重要であることがわかりました。田面木さん、ありがとうございました。
