博報堂こそだて家族研究所は、インタースペースと協働で、インタースペースが運営するママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」にて、いまどきのこそだて世代における「ママの本音に関する意識実態調査」を行った。
サマリー
- 「自分がしたいこと」と「子どもがやりたいこと」の優先比率は、「子ども優先」が約7割
- 「『子どもを生まなければよかった』と思ったことがある」ママは約4割
- 「『離婚』を本気で考えたことがある」ママは、約8割(既に離婚済み含む)
- 「悩み」上位は「両親(義理の両親)とのかかわり」「セックスレス」
- 「生理的欲求」は1割強、「安全欲求」は約3割が満たされず
- 「一番欲しいもの」は「自由に使えるお金」「安定した仕事や収入」「自由な時間」
「自分がしたいこと」と「子どもがやりたいこと」の優先比率は「子ども優先」が約7割
「自分がしたいと思うこと」と「子どもがやりたいと思っている・言っていること」の優先比率を聞いたところ、約7割のママが「子ども優先」と回答した。中でも「自分:子ども=2:8」「自分:子ども=3:7」というママが4割程度を占め、普段、多くのママが子どもを優先していることがわかった。
「『子どもを産まなければよかった』と思ったことがある」ママは約4割
「これまでに『やはり子どもを産まなければよかった』と思ったことがありますか?」という質問に対して、「数えきれないほど何回もある」が7.0%、「何回かある」が26.6%、「一回だけある」が6.8%で約4割のママが出産を後悔したことがある、という結果になった。
「0歳児ママ」「1-2歳児ママ」においては、「一回もない」の割合が高く、育児をしてきた経年数で出産を後悔する機会は多くなることがわかるという。育児に奮闘する中で様々な壁に直面し、「もしも、子どもがいなければ……」と思うママも少なくはないと博報堂こそだて家族研究所は分析している。
「『離婚』を本気で考えたことがある」ママは、約8割
「これまでに『離婚』を本気で考えたことがありますか?」と言う質問には、「今まさに考えている」が10.2%。「数えきれないほど何回もある」が22.5%、「何回かある」が33.4%、「一回だけある」が7.3%で、「もう離婚している」という7.0%と合わせると、実に8割以上のママに離婚検討経験があるという回答結果になった。
「数えきれないほど何回もある」と答えたママは、「有職ママ」に多く、「一回もない」と答えたママは「専業ママ」に多いのは、経済的に自立しているかどうかが関係していそうだと博報堂こそだて家族研究所は見ている。
ママの「悩み」TOP3は「両親(義理の両親)とのかかわり」「セックスレス」「夫のモラハラ」
ママたちの「悩み(過去/現在)」を聞いたところ、トップは「両親(義理の両親)とのかかわり」で33.4%だった。次いで、「セックスレス」が20.1%、「夫のモラハラ」19.9%と続く。
2位に挙がってきたのが「セックスレス」で、子どもができて、お互いの関係性が変わったことや、育児に追われて時間がなくなったことで、セックスレスになることが多いようだという。同じく夫関連で3位と6位にランクインしているのが、「夫のモラハラ」(19.9%)「夫のDV」(7.3%)だった。
「育児うつ」(17.2%)「産後うつ」(13.8%)も4位と5位に入り、子どもを育てていく上で悩みを抱え、精神状態を悪くするママも少なくはないことがわかる。さらに、「夫による子どもへの虐待やネグレクト」が7%、「自分による子どもへの虐待やネグレクト」が6.1%となり、育児に行き詰まるママたちのSOSが、調査にも現れる結果となった。
「生理的欲求」は1割強、「安全欲求」も約1割が満たされていない
マズローの分類に従って5つの段階的な欲求別にママたちの欲求がどの程度満たされているかを見ていくと、最も基礎的な「生理的欲求(お腹がすいたから食べたい/眠いから寝たい/トイレに行きたいなど)」は、76.2%が満たされていると回答した。次に、「安全欲求(危険を感じることなく、安心・安全な生活を送りたいという欲求)」は73.6%が満足していると回答した。
さらに、「社会的欲求(家庭以外の社会で自分の居場所が欲しい、社会の役に立ちたいという欲求)」は、53.0%、「承認欲求(人から認められたい、必要な存在であると思われたいという欲求)」は、48.5%と、これらの欲求を満たされているママたちは、半数程度となった。
最も高度な欲求である「自己実現欲求(仕事で認められたい、趣味や特技で成果を出したいというような理想的な自分・人生を求める欲求)」は39.0%が満たされていた。
原始的な欲求すら満たされていないママたちが1割強存在するのに対し、最も高次の自己実現欲求が満たされているママが約4割弱もいるという結果となった。
さらに見ていくと、各欲求の満足度は、子どもの年齢によって、大きく左右されることがわかるという。たとえば、「0歳児ママ」は赤ちゃんの面倒を見るのに忙しすぎて寝る暇がなかったり、トイレに行く暇がないこともあり、「生理的欲求」の満たされ度が63.8%と、全体平均よりも10ポイントほど低い結果になっている。
「自己実現欲求」も「0歳児ママ」が最も低く、赤ちゃんのお世話で自分の理想像を求めるどころではない様子がうかがえるという。一方で、「自己承認欲求」が満たされていると回答した人は53.4%と、全体の中で最も高い結果となった。赤ちゃんからの「自分が必要とされている」感覚が自己承認感に反映されていると博報堂こそだて家族研究所は解釈している。
「一番欲しいもの」は、「自由に使えるお金」「安定した仕事や収入」「自分のための自由な時間」
ママたちの「一番欲しいもの」を聞いてみると、トップは「自由に使えるお金」で33.2%、次いで「自分のための自由な時間」24.9%。「安定した仕事や収入」で21.1%となった。また、1位の「自由に使えるお金」と2位の「自由な時間」を足し上げると、「自由を求めるママ」は半数を超える。経済面、時間面での自由を求めるママたちが多い結果は、現実では満たされていないことの現れだと博報堂こそだて家族研究所は見ている。
【調査概要】
調査主体:博報堂こそだて家族研究所
調査手法:ママスタジアムでのインターネット調査
調査対象:ママスタジアムユーザーの同居子どもがいるママ n=413名
(本人年齢は20代44名、30代232名、40代以上137名)
調査時期:2019年5月13日~5月20日
対象地域:全国
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