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半歩先行くコンテンツマーケティング 「独自性」を紐解いて活用する

「独自性」を出すってこうすればいいんでしょ?えっ違うの?【コンテンツマーケにおける2大誤解パターン】


誤解1「単純に情報量を増やせばいい(Add-On型)」

 検索エンジンに評価されるために「網羅性」が大切なのはそのとおりだが、「それさえすればいい」と単純解釈するパターンである。その最たるものが【単純に情報量を増やせばいい(Add-On型)】で、項目すべてにおいて詳細であればあるほどいいという浅い考えだ。

 Googleの『検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド』には、以下の記述がある。

 高品質のコンテンツを作成するには、時間、労力、専門知識、才能 / スキルのうち少なくとも 1 つが十分にあることが必要です。コンテンツは事実として正確で、記述が明確で、内容が包括的であることを要します。

 「包括的 → 網羅性 → 抜けもれないよう広範囲にカバーしよう」という発想自体はよい。しかし、文字数を積み上げることを前提としてしまっていないだろうか? ありがちなのがウィキペディアよろしく定義や歴史を延々と書き連ねる……だ。具体的にはこういう形。

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 あちこちからコピペして、検索エンジンに察知されない程度にリライトすれば一丁上がり。ライバルサイトが文字数を増やしたと聞けば慌てて文字量を追加する……という不毛ないたちごっこをしている笑えないケースもある。

 こういった形のコンテンツがはびこる理由は「簡単に対策できるから」に他ならない。今日日、情報なんぞいくらでも見つけられるし、エンドレスに付け加えられる(やろうと思えば)。どうか易きに流されないよう気をつけて欲しい。

誤解2「掘り下げればいい(Dig-In型)」

 本質的には誤解1の「単純に情報量を増やせばいい(Add-On型)」と同じだが、各項目を無闇に深掘りして文字数を水増しするのが【掘り下げればいい(Dig-In型)】パターンだ。具体的にはこう。

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 重要なのは「検索エンジンからの訪問者が求めている情報を提供できているか?」という視点だ。読み手が求めているのは情報量ではなく、「理解のしやすさ」かもしれない。文章での説明ではなく、「ビジュアル情報の不足を嘆いている」可能性もある。あるいは、文字数が多すぎて「読むのに疲れている」のだとしたら?

 とあるメディア運営者から「文字数2万を目指して書いてみたが、もっと足せる情報はないか?」と相談を受けたことがあるが、2万文字と言ったら原稿用紙50枚分。一体何を目指しているのか? 辞書を作りたいのか? それで誰が幸せになるのか? 読者のニーズに沿っていれば(結果的に)長くなってもいいが、文字数から逆算しては本末転倒である。

 余談だが、具体的指示を与えずにライターに発注するとこの2つのミスは起きやすい。指示された方も(何が求められているのか)指針がなければ何をすればいいのかわからない。が、成果を出さねばならないので、文字数でお茶を濁す手法に陥る。

 外注した原稿が「やたら微に入り細に入って書かれているけど、こういうのが欲しいんじゃないんだよな」と感じられるものだったら、あなたの指示があいまいではないかを自問自答したほうがいい。

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創造的破壊の先に独自性はある

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この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/08/19 17:12 https://markezine.jp/article/detail/31614

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