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LINEの中から外へ――国内トップシェアを目指しアドネットワークをローンチした狙いとは

 LINE社は2019年8月、LINE Ads Platform for Publishersの提供を開始した。国内で圧倒的なユーザー数を抱える同社がLINEの中から外へとサービスを拡大していく狙いはどこにあるのか。LINE Ads Platform for Publishersの事業を統括する菅野圭介氏に話をうかがった。

モバイルエコシステム全体を支えるサービスを目指して

――LINE社は2019年8月、LINE Ads Platform for Publishers(以下、LAP for Publishers)をローンチし、アドネットワーク事業を開始しました。本記事では、LAP for Publishersの事業を統括されている菅野さんに、サービスの概要や特長を詳しくお聞きしていきます。まずは、LAP for Publishersをローンチした背景について教えてください。

LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野圭介氏
LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野圭介氏

菅野:大きな目標は、モバイルエコシステム全体を支えるサービスとしてLINEを成長させていくことにあります。国内で圧倒的なユーザー数を抱えているLINEは、そうしたサービスになり得ると思っています。

 LINEは膨大なモバイルデータやトラフィックを有するプラットフォームです。プラットフォームとして有する力を、LINE以外のモバイルアプリ、さらにはモバイルエコシステムへ提供していきたいと考えています。

――菅野さんの言うモバイルエコシステムとは、具体的にどのようなイメージでしょうか?

菅野:目指しているのは、“私たち自身が欲しいインターネット”の形成です。

 私たちは、ユーザーとして日々様々なアプリを使っていますよね。電車の乗り換え検索を利用して移動時間を少し短縮したり、寝る前にベッドで漫画を読んで少しホッとしたり、料理のレシピを調べたり。

 このように、人々の暮らしをより豊かに、便利にしてくれる良質なアプリは、世の中にたくさん存在しており、そうしたアプリの裏側には良いサービス・コンテンツを提供するために努力している方々がいます。

 私たちは、LAP for Publishersを通じて、パブリッシャーひいてはその先にいるユーザーにとって価値ある体験を増やしたいと考えているのです。世界的に寡占化が進み、様々な問題でインターネット広告に向けられる視線が厳しくなりつつある今、LINEのような立場のプレーヤーこそが改めてモバイルエコシステムに貢献することができるのではないかと思っています。

 また、広告主様の立場でも、アドフラウドやブランドセーフティ―の文脈で良質なパブリッシャーが必要とされています。マーケティングの場として良質なパブリッシャーの選択肢が多く存在することは、広告主様にとっても重要なことだと思います。

TikTok、AbemaTVなどトップレーヤーのアプリ群が参画

――ここから、LAP for Publishersの詳細に入っていきます。はじめに、他社のアドネットワークと比較して、LAP for Publishersにはどのような特徴があるのでしょうか。

菅野:LAP for Publishersは、現在累計4,600のアプリに参画いただいており、4,600万のMAUを保有しています(2019年5月時点の配信先アプリメディアMAUの合計。※「LINE Ads Platform for Publisherrs」内の重複を除く)。中でも、各領域でトップレーヤー群に入るアプリケーションに参画いただいている点は大きな特長です。

 たとえば、料理の領域ではクックパッド様、DELISH KITCHEN様、kurashiru様。この3社に参画いただいているのは、LAP for Publishersだけです。さらに、動画領域ではTikTok様、AbemaTV様などにもご参画いただいています。

――ユーザー数においても、サービスの質においても良質なアプリをそろえているのですね。

菅野:はい。アプリには様々なジャンルがあり、アプリごとにユーザーの関心軸は異なります。たとえば、フィットネスの広告ならフィットネスアプリに出したほうが、広告効果の観点からも、ユーザーのモチベーションという観点からも、お互いのニーズが合致する可能性が高いですよね。

 ユーザーの様々な興味関心に即して様々なジャンルのアプリに広告を配信できるよう、広告主様の選択肢の幅を広げられるのがLAP for Publishersです。

LINEのオーディエンスデータはフルで活用可能!

菅野:加えて、LAP for Publishersではすべての広告枠で動画広告の配信が可能です。よって、ブランド醸成を目的とする広告主様にとっても適した特長を持つサービスになると考えています。

――なるほど。データの活用に関しては、いかがでしょうか?

菅野:LAP for Publishersでも、LINEのオーディエンスデータはフルで活用できます。これも大きなメリットですね。

 今、Webの世界だとcookieデータをターゲティングなどで利活用しづらくなってきており、これはみなさん共通の課題になりつつあると感じています。そうした中、モバイルアプリで使われる広告用のIDデータの価値が相対的に高まってきており、今後広告主様にとっても重要な資産になってくると思います。

 LINEは圧倒的なユーザー数を抱えており、このデータのカバー範囲も国内有数であるという点で、データ面でも高い価値を提供できます。また、LAPで使用できるターゲティングオプションはすべてLAP for Publishersでも使用可能ですので、データ活用や運用面においても、LAPと変わりなくご利用いただけます。

ユーザーファーストを大前提に、LINEの中から外へ

――LINEの中から外へプラットフォームが拡大するということで、サービスにおけるユーザー保護について、関心のあるマーケターも多いのではないかと思います。

菅野:LINE社は、自社のサービスに対して非常に高い品質基準を設けている会社だと思っています。ユーザー保護や広告ポリシーに関しても高いレベルでユーザーファーストを重要視しており、これらはLAP for Publishersでも同様です。

 ネット広告の領域では、逆風が吹く瞬間も多いですが、こうした考えを持ってサービスを提供すること自体が、中長期的にサービスの信頼性につながっていくと思います。

――ユーザーファーストを大前提に、広告主もパブリッシャーもメリットを享受できるエコシステムを目指されるということですね。

菅野:はい。私たちは、この事業を単なるアドネットワークと位置付けていません。「LINEとともに成長を」というコンセプトを掲げ、LINEの様々なアセットを活かしながら、パブリッシャーの成長自体を支援していきたいと考えています。

 そうして良質なメディアが増えることで、広告主様のニーズに即したユーザーとのタッチポイントを増やしていくことができるはずです。

ローンチ後の初動から見る、LAP for Publishersの効果

――広告効果の観点では、LAP for Publishersの活用によりどのくらいのインパクトを得られるのでしょうか。

菅野:7月に実施したテストマーケティングと比較し、ローンチ後はプロダクト全体のimpが増大傾向にあり、デイリーで見ても好調に推移しています。今後の配信ボリュームに期待が持てる実績を残せていますね。

2019年7月実施のテストマーケティングにおけるデイリーのimp平均値/ローンチ後の配信imp推移(2019年8月)
2019年7月実施のテストマーケティングにおけるデイリーのimp平均値/ローンチ後の配信imp推移(2019年8月)
各カテゴリにおける上位商材の一例(2019年8月19~25日)
各カテゴリにおける上位商材の一例(2019年8月19~25日)

 たとえば、各カテゴリにおける上位商材を挙げますと、LAPでは伸び悩んでいた転職サイトの広告がLAP for Publishersによってアカウント全体のCPAを11%抑えた上で、impが342%増大しました。

 同様にショッピングアプリの広告においても、CPAを5%抑えながら、impを232%増大させることに成功しています。LAPですでに大きく伸長できていた化粧品の広告に関しても、同じ傾向が見られています。

 そして現在も、LINEが有する膨大なデータ資源を活かし、ターゲティングの精度を高めるため、研究開発が続いており、日々CPAやCPIといったパフォーマンスが向上しています。これからさらに広告主様にご満足いただける実績を出していきます。

――最後に、LAP for Publishersを展開していくにあたってのビジョンをお聞かせください。

菅野:LAP for Publishersは国内でトップシェアを狙えるポテンシャルがあると思っています。

 これからパブリッシャーとともに成長し、その果実を広告主様と分け合っていくサイクルを作っていきたいです。そういった大きな視点で物事を考えていきながら、私たち自身のサービスも良くしていけたらと思っています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/03 11:00 https://markezine.jp/article/detail/31663