部門を超えて「顧客満足」がキーワードに

――これまで組織全体でのデータ活用推進に取り組まれてきた中で、大きく変化したと感じる点はありますか。
四条:自分のチームがもっているデータを基幹のデータとつなぐことで、どのような価値を見出すことができるか、という考え方が根付き始めているように思います。
たとえばグローバルWiFi事業では、在庫管理を担当している部署は、WiFiデータの購入量や使用量と顧客満足度、リピート率がどう関連しているのかに興味をもっています。彼らは直接お客様と接する部署ではありませんが、彼らの部署が収集できるWiFiデータの量を「Domo」内の別のデータと掛け合わせて、サービス利用中のユーザーが満足できているのかを分析しています。「満足度の高い顧客体験」が部門の垣根を超えたキーワードになっていると感じます。
――そのような視点が全社で生まれているのは、興味深いですね。最後に、企業全体でデータ活用を進めていきたい、でも何かが噛み合っておらずうまくいかないと感じる場合は、何から見直していけばよいのか、アドバイスをいただけますか。
四条:どんな組織であっても、全員の目標が一致しているかどうかに立ち返ることが重要です。会社のゴールが存在し、事業としてのゴールがあり、それを部門ごとに分けていく過程で、思わぬズレが生じてしまうことがあります。私たちは「集団成功主義」と言っているのですが、まずは身近な上司や部下、隣の人と自分の利害が一致しているのか、見直してみるとよいと思います。
奥作:当社も今後さらにデータを拡充させつつ、AIを用いた効率的な運用や分析も進めたいと考えています。マーケティング部門のリソースを活かして全社浸透を目指していくのはもちろんですが、社外からもデータに強い人材を迎え入れながら、取り組みを加速させたいです。
