あなたが「業務用コーヒー豆の卸会社」のコンテンツマーケターだったら?
前回、コンテンツマーケティングでいう独自性の条件は、
1.新規性:他にはない斬新さがある
2.顧客メリット:読み手に価値を提供している
3.自社メリット:ビジネス目的を達成している
の3つを満たすことだと言った。
「難しそう」「センスがないと厳しそう」と思うかもしれないが、独自性は以下の3つの方法を使うことで後天的に習得できる。
鍵は、
1.過度な演出
2.飽くなき自己ツッコミ
3.人肌感のあるストーリー
である。
もし、あなたが業務用コーヒー豆の卸会社のコンテンツマーケターになったとしたら? そんなつもりで、どんなコンテンツが考えられるか頭の体操をしてみよう。
顧客は「レストラン・カフェ・喫茶店」で、ゴールは「お問い合わせを増やして、販路を拡大する」だ。最大の売りは「鮮度と焙煎にこだわる高品質なスペシャリティコーヒー」だが、似たような商品はいくらでも市場にある。普通にアピールしたのでは埋没するだろう。そこで考えるべきは、どう独自性を出して差別化するかだ。
1.過度な演出:印象を強調するために落差をつける
事実をただそのまま伝えてもインパクトは生まれない。結論は同じでも、言い方や表現をいじることで落差を作れる。落差がある方がインパクトを演出できる。「1+1=2」ではなく、「-100+101-100+101=2」とするようなものだ。え? 言っていることがよくわからない? では、業務用コーヒー豆に置き換えてみよう。
<Before>
「弊社のコーヒー豆は煎ってそのまま食べられます」
「うちの豆は新鮮ですよ、無農薬ですよ」と伝えたいのだろうが、工夫がなさすぎる。「1+1=2」並みに直球なので「だから何? そもそも豆をそのまま食わんけど……」といった反応が返ってくるが関の山だ。
そこで、こう“演出”してはどうだろう?
<After>
「コーヒー豆に精通する社員がプライベートでこっそりやっている、とっておきコーヒー豆活用術まとめ(保存版)」
ここでの演出のポイントは「社員」「プライベートでこっそり」「とっておき」の3点。別にコーヒーの飲み方(食べ方)を秘密にする必要などなく、こっそりもへったくれもない。そこをあえて「コーヒーの豆会社に長年勤めるプロは一体どのように味わっているのか教えてやろうか……」とベールを一旦被せ、それを仰々しく「じゃ~ん!」とめくって披露しただけだ。
もともと見えているモノを「あえて隠す→めくって見せる」という一手間を加えることで、「なんだかすごい情報だ!」と強い印象を残すことができる。
ちなみに、内容まで考えるとしたら、
・【100円アイスが大人のデザートに大変身】コーヒー豆トッピングのバニラアイス
・南米とジャポンの濃厚な融合! コーヒー豆で仕込む焼酎の美味さといったら……
・ありそうでなかった「コーヒー豆シリアルバー」で過ごす、とっておきのSunday Morning
とかでいいのでは(これは適当だが)。
なお、演出は嘘とは似て非なるものだ。演出とは「事実をよりインパクトあるように魅せる創意工夫」であって嘘八百とは違う。
【ポイント】
NG:工夫もせずそのまま伝える
OK:落差をつけて強い印象を残す