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白メガネ野崎が突撃!次世代のトップランナーに聞く新時代のキャリア形成

「6年間培ってきたキャリアを捨てた」アカツキ窪田氏が語る、マーケターとして強くなれた理由


事業主ならではの壁、どう乗り越えた?

野崎:実際に理想の環境にジョインしてからは、どのような業務を担当されているのでしょうか。

窪田:2016年4月に入社したのですが、最初の1年は当時運営3年目を迎えたゲームアプリのマーケティング戦略を担当していました。

窪田:当社の場合、各ゲームアプリにマーケターが付いて、担当タイトルの売上・営利目標に対して施策を考え実行する体制となっていました。裁量権を持たせてもらえ、目標達成のためには、数的な効果が見えづらい広告以外の領域にも果敢にチャレンジできる環境でした。まさに事業会社でやりたかった業務に携われている実感がありました。

野崎:転職という手段の行使によって、元々取り組みたかったお仕事につながっていますね。ただ、担当範囲が広がったことで苦労も多かったと思います。パートナーサイドから事業会社に移って、どこに一番苦労しましたか。

窪田:ゲームとユーザーの理解ですね。たとえば、代理店時代はバナーを1つ作るにしても「このキャラクターがかわいらしいし目を惹いてクリック率も上がるだろうから、バナーのデザインに使おう」といった短絡的な思考が働いていたこともありました。

 ただ、事業会社に入るとよりサービスや商品の深い理解が求められます。ゲームアプリであれば、キャラの特徴やストーリー展開などを考慮することで、実際にビジネスの成果につながるクリエイティブや企画を発想することができるんです。

野崎:理解を深めるために、担当しているゲームアプリは相当やり込みましたか。事業会社に転身して陥りやすい1つのパターンに、自社ブランドやサービスへの興味関心がそもそも湧かないといった類の悩みが挙げられます。

窪田:そうですね、ゲームやユーザーを理解するにはとにかく遊んでみないと始まりません。元々ゲームは好きだったので、ユーザーと同じ目線を持てるよう没頭しました。あとは、ゲームのプロデューサーとも頻繁にコミュニケーションをとり、理解を深めてきました。そのような取り組みが実を結んだのか、担当1年目で、そのゲームアプリにおける過去最高収益を記録することができました。

6年間培ってきたキャリアを捨てた、その理由

野崎:担当1年目で成果を残せたのは相当自信につながったんじゃないですか。

窪田:確かに2年目からはゲーム事業部のゼネラルマネージャーを担当することにもなったので、会社から一定の評価をされている実感はありました。ただ、1タイトルを担当しつつ全体戦略も見なければいけない立場になったことで、さらに大きな壁が立ちはだかりました。

野崎:大きな壁とは具体的にどんなことでしょう?

窪田:上長に相談しながら、2ヵ月ほどかけて部署の戦略を立て直していたんですが、現状の自分が持ち合わせているスキルセットの延長線上では、ゲーム事業のさらなる売上向上につながる戦略が組み立てきれなかったんです。そのとき、広告代理店で培ってきた6年間のキャリアを捨てないとダメだと決断しました。

野崎:え、どういう意味でしょうか? 当然ながら過去のスキルをベースにキャリア形成したほうが、新天地で成功する確率も高まります。スマホ広告を中心としたプランニングや広告運用によるCPI・ROAS最適化のスキルをキャリアのベースから外すことには相当な覚悟がいると思います。なぜ、そういった意思決定をしたのか、その後どのようなアクションを起こしたのか教えてください。

窪田:広告代理店出身であることを活かし、デジタル広告の予算折衝や代理店とのコミュニケーションなどをこれまで行っていたんですが、そこに対する工数がかかりすぎていた上に、得られるバリューが少ないと感じていたからです。

 そこで、マーケティング担当から広告代理店に対するディレクション業務を削減し、その役割を正社員ではなく業務委託のパートナーにお願いすることにしたんです。これによりKPIを深く見ながら課題を正しく把握、抽出を行い、それをもとにどうファンと向き合うべきか、いかにバリューを出すかなど、より上流の戦略部分について考える時間を作り出しました。

 さらに、現在はブランドマネジメントのチームとファンマーケティングのチームという2つの組織に分け、それぞれの専門性を高めることで担当タイトルごとの売上・利益最大化に従事しています。

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広告代理店と向き合う業務のバリューが少ない理由は?

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/24 11:45 https://markezine.jp/article/detail/31928

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