選ばれる企業になるための採用マーケティングとは
実際に採用広報で実績を出している企業が、どのようなフレームワークで取り組みをしているか説明します。以下は私たちが定義する採用マーケティングのファネルです。

今後、ワークスタイルや学生の価値観が変化するにつれて、企業の選択肢や選択基準が多様化していくと考えます。その際、ファネル上の企業認知の形成からエントリーに至るまでの施策がより重要になり、この領域での情報発信やマーケティングを強化することで学生から選ばれる企業になる必要があります。
先ほど例に出した企業は、まさにこの領域での取り組みが活発で、優秀な人材のエントリーを促進するために、ターゲットが情報収集を行うデジタル上で、興味関心を引くコンテンツを配信し、多くのタッチポイントを構築しています。
Z世代への採用マーケティング、その攻略法とは
新卒採用や第二新卒採用の領域で今後メインのターゲットとなるのはZ世代です。Z世代は生まれながらにしてスマホファースト、デジタルファーストな世代となり、メディアおよび情報過多な時代で育った世代です。そのため、興味関心は細分化され、アクティブに利用するメディアやプラットフォームも多様化しています。
その上で、採用マーケティングのポイントは大きく二つあります。一つは「文脈を捉える」ということ。ターゲットに響く訴求をするために、情報発信を行う上で追い風となり得る文脈を見つけることが重要です。訴求したい内容と親和性のある文脈を接着させ、メッセージングを調整し情報発信を行う必要があります。
二つ目はタッチポイントの選定です。手法が多岐にわたるため、ターゲットがアクティブに利用する媒体を把握する必要があります。把握する手段としてはいくつか考えられますが、スパイスボックスではソーシャルリスニングを用いた分析を行うことでSNSやWeb上のデータから定量的に判断することが多いです。
他には、ターゲット属性と思われる学生に直接アンケートやインタビューをしてみるのも一つの手段でしょう。ここでのポイントは、採用や働くという文脈で親和性のありそうなメディアはどこか、またどんな志向性のターゲットへ情報を届けたいか、という視点でタッチポイントを設計することです。
従来であれば大手就活ナビサイトを中心に情報収集が行われていましたが、現在は学生の情報収集ツールとしても様々なメディアが活用されています。そのため、発信と分析のPDCAを繰り返す中で自社に最適なタッチポイントを見出すことが重要です。
若者世代の価値観を捉えた採用マーケティングを
近年、生活者ニーズが変化しているのと同様に、成熟した日本社会において“働く”という価値観も大きく変化しています。従来のように「稼ぐために働く」というよりも、「どう働きたいか」「何で稼ぎたいか」という価値観が先行していたり、組織よりもまず個としての目指すべき姿を尊重するカルチャーが浸透したりと、今後もテクノロジーの進化や経済の発展によって、“働く”という価値観は変化し、多様化すると考えます。
合わせて職種や業界の壁がなくなりつつある時代に、個のパフォーマンスを最大化させるためには、それぞれに適応した職場環境とのマッチングが必須です。だからこそ、企業の採用マーケティングが重要な時代であり、その際にエンゲージメントするコンテンツが求められているのです。