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こてっちゃんがLINEキャンペーンに全面シフト/はがき・Web販促からLINE販促にすべき理由

 これまで、購入型の販促キャンペーンを行う際、一般的に使われてきたのははがきとWebだった。しかし、マインドフリーの西口陽介氏は「既存の販促キャンペーンは課題が多い」と語る。本記事ではその理由と、代替手段として期待されるLINEでの販促キャンペーンの魅力を加工肉食品「こてっちゃん」の成功事例とあわせて伺ってきた。

LINEがキャンペーンのインフラとして機能し始める

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、簡単にマインドフリーがどのような会社か、そして西口さんがどのような業務を担当しているか教えてください。

西口:マインドフリーはシステム開発から、UI/UXの設計やデザイン、ソーシャルメディアマーケティングまで幅広い事業を展開しています。そして、私はこれまで多くのクライアントのミッションや企業課題をもとにコミュニケーション設計を行い、キャンペーンやその後の顧客化、エンゲージメントの構築などの施策を実施しています。

 また、それらの経験から、共通する企業課題を解決する仕組みとしてLINEキャンペーン/CRMシステム「GEPPY」の開発に携わっています。

マインドフリー株式会社Solution Sales Group マネージャー 西口 陽介氏
マインドフリー株式会社 Solution Sales Group マネージャー 西口 陽介氏

MZ:御社はソーシャルメディアに関する支援に強いというお話がありましたが、現在特に注力しているのはLINEということでしょうか。

西口:そうですね、他のソーシャルメディアに関しても支援実績はありますが、LINEに関してはLINE社やクライアント協力のもと「LINEセールス&マーケティングSUMMIT」という150人規模のイベントを主催するなど、啓もう活動にも積極的に取り組んでいます。

MZ:LINE活用に関する啓もう活動も積極的に行っているんですね。近年の企業におけるLINE活用の現状はどのようになっていると思いますか。

西口:我々が「GEPPY」を通じてLINEを活用したキャンペーンの支援をしている中で感じていたのは、2018年までは飲料や食品、生活消費財メーカーを中心とした企業との取り組みが多かったんです。ただ、2019年になって、化粧品や家電メーカー、リテーラー、新電力などのインフラ会社、業種業態にかかわらず爆発的に活用が進むようになりました。

 ここに来て爆発的に活用する企業が増加しているのを見ると、LINEが企業のキャンペーンにおけるインフラとして機能し始めているとともに、企業の期待値も高くなっているのだと思います。

既存販促の課題をLINEで解決

MZ:キャンペーンにおけるインフラとして機能し始めているとのことですが、多くの企業はどういった悩みからLINEの活用に取り組まれるのでしょうか。

西口:これまでのはがきやWebを使った販促キャンペーンに課題を感じているケースが多いですね。マストバイ型のキャンペーンだと、これまでははがきにシールを貼って送るものや、アプリ上でレシートを撮影して応募するもの、製品に貼ってあるシールにあるQRコードを読み込んで参加するものなどがあります。

 どの方法も、ユーザー側の参加障壁が大きく、さらに企業側も小売りとの調整、はがきやQRコード付きのシールの用意が大変でした。

 一方、LINEであれば多くの方が既にインストールをしていますので、友だち登録を促すだけで、すぐに参加してもらえます。マストバイ型のキャンペーンも、レシートを撮影して送ってもらうだけなので、ユーザーにとっては参加が簡単で、クライアント側も事前準備の工程が減り、楽になったと評価をいただいています。

 加えて、従来型のキャンペーンは参加者のリストが管理・活用できておらず、掛け捨て型のキャンペーンになっているケースがほとんどです。そのため、キャンペーンごとに告知をするコストがかかっていました。

 しかし、LINEの場合、友だちとしてキャンペーン参加者が管理でき、ストックしていくことができる。この点も踏まえると、既存キャンペーンに比べた導入メリットは大きいと思います。

 さらに、LINEは幅広い年齢層の方が使っているので、はがき型のキャンペーンに見られる「参加者の年齢層の持ち上がり」といった課題にも対応できるようになりました。

MZ:既存のコミュニケーションチャネルと比較しましたが、他のSNSと比較した場合はどうでしょうか。

西口:他のSNSの場合は、1対nでコミュニケーションしなければいけないものが多いです。一方、LINEは特にOne to Oneでのコミュニケーションに強みを持っているので、実施できるキャンペーンの質が異なると考えています。

 TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSではシェアする、広げていくことを目的にしたオープンな施策になりますが、LINEはオープンな環境だけでなくクローズな環境を持つため、購入レシートの送付や公に回答しにくいアンケートなど、より製品や企業に関心度の高いユーザーの取り込みに向いています。

企業がLINEの持つ力を活かせていない理由

MZ:LINEであれば、既存の販促キャンペーンより工数を少なく、かつ参加者がストックできるメリットがわかりました。しかしながら、LINEをキャンペーンでうまく使えていない企業もあると思うんですが、それはなぜなのでしょうか。

西口:LINEの公式アカウントは年々増え、同時に運用のうまい企業も増加することで、運用方法が進化しつつあると感じます。これまではLINEの膨大なユーザー数を活かしたマス的なアプローチだけで成果が出ていましたが、うまい企業はこれに加えて、必要な人に必要な情報を送る仕組みを持ち始めている。ここに格差が生まれていると思います。そういった企業はキャンペーンを通じてユーザーデータの取得も進めています。

西口:これからは、ユーザーのデータをもとに最適なコミュニケーションをすべきで、そうしたほうがLINEの持つ力がより活かせると考えています。

MZ:確かに、とりあえずつながってみたけど、頻繁に告知が来て、企業アカウントをブロックしてしまったことも何度かあります……。

西口:今後もLINEが持つリーチ力は圧倒的なパワーを発揮すると思いますが、ユーザーが過去にどういった商品を買っているのかなど、ユーザーのステータスを把握した上でコミュニケーションをすることが求められます。そして、そのためにはユーザーのデータを持って運用できる状態を作ることがまず必要です。

 「とりあえずたくさん友だちが集まったから、新商品の情報を定期的に発信しよう」みたいなざっくりとした運用をしている企業は、成果を実感できていないと思います。そして、ユーザーのデータを蓄積しながらできるキャンペーンとして有効なのが、マストバイ型のキャンペーンであり、GEPPYであればそれを簡単に実施できます。

LINEのOne to Oneコミュニケーションに必要なこと

MZ:では、GEPPYがどういったサービスか、教えてください。

西口:GEPPYはLINE公式アカウント上でレシート応募型などのキャンペーンが、最短2週間からスタートできます。また、アンケートや自動追客などのCRM機能が充実しているので、つながった後のコミュニケーションも最適化できます。

 たとえば、製品購入型のキャンペーンに参加したユーザーにアンケートを送り、その結果に応じて自動追客をするといった仕掛けが可能になり、初購入はキャンペーンで、再購入は製品の消耗タイミングでメッセージを送って促す、といったシナリオが組めます。

 そして、GEPPYを通じてキャンペーンを行うことで、キャンペーン参加者のリストが貯まっていくので、2回目以降の誘導コストも少なくすることができますし、キャンペーンをするごとに顧客を囲い込んでいけるようになります。

「こてっちゃん」のレシートキャンペーンに導入

MZ:どのようなクライアントが、GEPPYを活用しているのでしょうか。また、具体的な事例があれば教えてください。

西口:先ほど申し上げましたように、飲料や食品、生活消費財メーカーを中心に様々な企業にご利用いただいております。具体的なものですと、エスフーズ様の人気商品「こてっちゃん」のレシートキャンペーンがあります。

西口:同社は2000年前半からテレビCMに変わる販促手段として、はがきを活用したクローズドキャンペーンを開始されました。長らくテレビCMを続けられていたこともあり、一定数の応募は集まっていたのですが年齢層は持ち上がっていました。

 そこで新しい取り組みを推進したいとご相談があり、LINEを活用すべくGEPPYを導入いただき、はがきとLINEによるキャンペーンを同時並行で走らせ、効果を検証することにしました。

LINE vs はがき、その結果は?

MZ:LINEとはがきのキャンペーンの効果を比較したのですね。その結果はどうでしたか。

西口:応募数で見ると、90%以上がLINEで応募するという形になりました。ここでまずLINEのキャンペーンのほうが応募しやすい状況にあることは明らかになりました。また、はがき型のキャンペーンは50代以上が圧倒的には多かったのに対し、LINEのキャンペーンでは、30代の応募がはがきの2倍程度に増加しました。

MZ:応募数はもちろん、これまでより若い人の応募が増えているのも非常に良かったですね。

西口:エスフーズ様では、商品にシールを貼ることでキャンペーン告知をされているのですが、既存のキャンペーンでは40代、50代の方々がボリュームゾーンとなっていました。その中で30代が多く応募してきたというのは、こてっちゃんのことをこれまで知らなかった層というのも入ってきた可能性もありますし、若い人を取れたというのは大きな成果だったと思います。

 また、この結果が出て以降も年4回のLINEキャンペーンをGEPPYで行っていただいています。その中ではアンケートも実施しているので、次のキャンペーンに活かせる情報収集も行えています。今後も継続してLINEに購入してくれた方たちを集めることができれば、製品開発にするアンケートの協力や拡散を目的にしたキャンペーンの参加を促すのにも活用できると思います。

LINE公式アカウントを楽しい空間に

MZ:事例からも、LINEを活用した販促キャンペーンの可能性を感じることができました。最後に今後の展望をお聞かせください。

西口:自分でLINE公式アカウントのトークルームを見に行きたくなるような仕組みを作りたいですね。ただキャンペーンを応募するだけの用途ではなく、ゲームで遊ぶことができるなど、アカウントにつながっていて楽しいと思えるような空間を作ることができるよう、GEPPYの機能開発に注力したいと思います。

 また、「LINEがとりあえず告知するだけになっている」企業の方は、相談していただければ課題解決のサービスとノウハウを持っているので、本当にユーザーにとって必要なコミュニケーションの設計を一緒に作る、そんなお手伝いができると嬉しいです。

 GEPPYのサービスページでは、記事では紹介できなかった機能の詳細や他の活用例などを紹介しています!既存の販促に課題を感じている方はぜひご覧ください! 詳しくはこちら

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/31 13:11 https://markezine.jp/article/detail/32108