運用型広告を開始、柔軟な配信設計が可能に
――では、この10月に正式リリースされた、運用型広告プラットフォームの概要をうかがえますか?
香川:この1年は純広告として、期間と金額を決めた広告販売をしていたのですが、「TimeTree Ads」最大の特徴である未来の予定にターゲティングできるメニューを多様な企業様に最大限ご活用いただけるように、運用型広告の仕組みに切り替えました。
新たにオンラインダッシュボードの提供を開始し、期間や入札額、ターゲットやクリエイティブの設定といった配信設計をオンラインで柔軟にできるようになりました。また、CV計測のサポートも開始したので、自動で効果が最大化される機能も追加しました。広告効果を正しく計測出来るように、これまでと変わらずビューアブルインプレッション課金でご提供しています。
――運用型というと、配信期間中のチューニングもできるのですか?
香川:もちろんです。効果を見ながらターゲットやクリエイティブはもちろん、予算や入札単価を変更して指標に合わせた改善ができます。また、これまで以上に緻密なターゲティングが出来るように、予定属性とデモグラ属性の掛け合わせや地域の指定が可能になりました。正式リリースに先立ち、8~9月、一部の広告主様にクローズドの運用に参加いただきました。その結果、以前と比べてCTRが約1.5倍、CVRなど他の指標も伸びています。
ユーザーと広告主の数が増えればマッチング精度が上がる
――なるほど、運用型にした効果ですね。運用型に切り替えたのは、どういった背景があったのでしょうか?
吉本:「TimeTree Ads」では、ユーザー属性や予定データをかけ合わせた広告配信を行うため、広告とユーザーのマッチングの精度が高いことが特徴です。ただ、マッチング精度の向上は「TimeTree」のデータだけではうまくいきません。さきほどのデータに加えて、多様な広告主様に出稿いただくことで初めて成り立ちます。特に純広告だと金額が固定で価格も高いために、出稿企業様が限られてしまいます。
精度の向上は、広告主様とユーザー、両者にとってメリットがあることです。そのため、さらなるデータ分析を行っていくと同時に、出稿企業様を増やすことが重要だと考えており、広告主様には金額や期間を自由に設計できる運用型を提供することを昨年から視野に入れていました。
香川:既存の広告主様からも、より柔軟な配信設計を求められていたので、正式にローンチして1~2週間で想像以上の問い合わせをいただいており、正直まだ対応しきれていない状況です。また、「TimeTree」が広告配信プラットフォームを展開していること自体、まだ代理店様を中心に認知が高くなかったため、今回いろいろなメディアに紹介いただいたことで代理店様からも多く反響がありました。
――うれしい悲鳴ですね! 具体的に、クローズド運用に参加された広告主の事例をうかがえますか?
香川:たとえば、結婚に関する情報を提供されている広告主様は恋人同士で「TimeTree」を使っているユーザー向けに結婚式場への来店訴求をする、ケーキの宅配サービスを提供している広告主様は記念日予定が近い人にアプローチする、などですね。また、スポーツの予定がある人に飲料メーカー様がスポーツ飲料を訴求した例もあります。いずれの企業からも、各指標の改善に手応えがあったとうかがっています。