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予定データ×属性でモーメントを捉える。“広告の無駄撃ち”をなくす「TimeTree Ads」の可能性

 「子どもの運動会を控えるパパ・ママに、カメラを紹介したい」「旅行の予定がある人に日焼け止めを訴求したい」……そんな“予定データ”を使って広告を配信できるカレンダーシェアアプリ「TimeTree」は、この10月に運用型広告のプラットフォームを正式リリース。テスト運用では、CTRが平均1.5倍に伸びているという。現在1,700万DLに上る同アプリが広告主の支持を集める理由、そして運用型広告で広がる可能性を聞いた。

共有を前提としたカレンダー“シェア”アプリ

――カレンダーシェアアプリ「TimeTree(タイムツリー)」は、昨年から広告配信プラットフォーム「TimeTree Ads」の提供を開始し、このほどさらに運用型広告プラットフォームをリリースされました。今回はその特徴と、既に効果が上がっている事例などをうかがいます。まず、今回ご対応いただくお二人の担当業務をうかがえますか?

株式会社TimeTree  Account Executive 香川太司氏(写真左)/株式会社TimeTree Growth & Business Platform 吉本安寿氏(写真右)
株式会社TimeTree  Account Executive 香川太司氏(写真左)
株式会社TimeTree Growth & Business Platform 吉本安寿氏(写真右)

香川:広告営業を担当しています。広告主様とのやり取りのなかで、広告プロダクトとしての「TimeTree」の課題や可能性が見えてくることが多いので、それらを社内にフィードバックしたりもしています。

吉本:「TimeTree」の企画とマーケティング、および「TimeTree Ads」の開発ディレクションを担当しています。「TimeTree Ads」に関しては、広告配信の技術面を担うエンジニアとともに、広告プラットフォームの企画などを手掛けています。

――続いて、「TimeTree」について教えてください。カレンダーアプリではなくカレンダー“シェア”アプリなんですね?

吉本:はい、その点は「TimeTree」の大きな特徴です。元々「TimeTree」は誰かと共有することを前提にカレンダーアプリが開発されております。ユーザーの方々からは、忙しい中で予定を共有しそびれて、“言った・言わない”でもめてしまうようなコミュニケーション上のすれ違いを解決することができたという声を多く聞きます。自分用の手帳ではなく、家族の予定が書き込まれているリビングの壁掛けカレンダーのデジタル版といったイメージです。サービスローンチ4年半で、国内外合わせて登録ユーザー数は1,700万に上っています

 現在も9割近いユーザーが家族や恋人など誰かとカレンダーを共有していて、月平均で27件の予定が書き込まれています。たとえば共働きで子どもがいるご夫婦なら、子どもの行事やお迎え予定なども「TimeTree」で管理されていますね。

モーメントを捉える「予定ターゲティング」

――昨年、広告配信プラットフォーム「TimeTree Ads」を開始され、MarkeZineでも紹介しましたが(参考記事:ユーザーの未来の行動に基づいた広告を配信する「TimeTree Ads」とは?)、カレンダーという性質を生かした「未来の予定にフォーカスして広告を配信できる」点が斬新でした。広告は、どの面に出るのですか?

吉本:「TimeTree」には、マンスリーカレンダー画面のほかに、共有相手の投稿を見逃さないための新着フィード画面があります。ユーザーの多くが「TimeTree」を開くとまず確認する場所で、こちらにインフィード広告の形で表示されます

広告の配信イメージ
広告の配信イメージ

――そもそも、ユーザーの予定を捉えて広告配信すること自体、御社ならではの仕組みですか?

香川:そうですね、単純な純広告やアドネットワークのみでマネタイズをしているカレンダーアプリは他にもあるようですが、未来の予定にターゲティングできる広告配信のプラットフォームとして展開しているサービスはないと思います。現在、予定にターゲティングする仕組みは特許申請中です。

――予定でターゲティングした配信というのは、たとえば「子どもの運動会を控えた夫婦にカメラを訴求する」といったことでしょうか? 

香川:はい、そのとおりです。他にも「引っ越しを控えた人に家庭用のWi-Fiサービスを紹介する」などはわかりやすいと思います。ピンポイントでイベント名を指定するのではなく、現在はカテゴリー単位の指定ですが、これはデータ分析に基づいて随時改善しています。過去の予定もデータ分析しているので、将来的には「映画好きの人に映画公開日をお知らせする」という切り口のメニューも提供を考えています

予定ターゲティングのイメージ
予定ターゲティングのイメージ

吉本:また配信のタイミングもポイントです。「TimeTree」では“予定への意識が高い時”にのみ、広告を表示させます。先の例で言うと、引っ越しする日をスケジュールに登録したタイミングと、引っ越しが近づいたタイミングなどですね。従来の行動データに基づくターゲティングでは、ユーザーが求めていない時に何度も同じ広告を掲載していたり、もっと言えばユーザーがもう不要だと感じている時にも掲載されているケースが多くあります(たとえば商品購入後に、購入した商品の広告が掲載されるなど)。これは、ユーザーにとっても良い体験ではありませんし、広告主様にとっても“広告の無駄撃ち”となってしまいます

 「TimeTree」では、ユーザーが本当に必要としている瞬間=モーメントを捉えた広告配信を行うことができるため、こうした広告の無駄撃ちを防ぐことが可能です

運用型広告を開始、柔軟な配信設計が可能に

――では、この10月に正式リリースされた、運用型広告プラットフォームの概要をうかがえますか?

香川:この1年は純広告として、期間と金額を決めた広告販売をしていたのですが、「TimeTree Ads」最大の特徴である未来の予定にターゲティングできるメニューを多様な企業様に最大限ご活用いただけるように、運用型広告の仕組みに切り替えました。

 新たにオンラインダッシュボードの提供を開始し、期間や入札額、ターゲットやクリエイティブの設定といった配信設計をオンラインで柔軟にできるようになりました。また、CV計測のサポートも開始したので、自動で効果が最大化される機能も追加しました。広告効果を正しく計測出来るように、これまでと変わらずビューアブルインプレッション課金でご提供しています。

――運用型というと、配信期間中のチューニングもできるのですか?

香川:もちろんです。効果を見ながらターゲットやクリエイティブはもちろん、予算や入札単価を変更して指標に合わせた改善ができます。また、これまで以上に緻密なターゲティングが出来るように、予定属性とデモグラ属性の掛け合わせや地域の指定が可能になりました。正式リリースに先立ち、8~9月、一部の広告主様にクローズドの運用に参加いただきました。その結果、以前と比べてCTRが約1.5倍、CVRなど他の指標も伸びています

ユーザーと広告主の数が増えればマッチング精度が上がる

――なるほど、運用型にした効果ですね。運用型に切り替えたのは、どういった背景があったのでしょうか?

吉本:「TimeTree Ads」では、ユーザー属性や予定データをかけ合わせた広告配信を行うため、広告とユーザーのマッチングの精度が高いことが特徴です。ただ、マッチング精度の向上は「TimeTree」のデータだけではうまくいきません。さきほどのデータに加えて、多様な広告主様に出稿いただくことで初めて成り立ちます。特に純広告だと金額が固定で価格も高いために、出稿企業様が限られてしまいます。

 精度の向上は、広告主様とユーザー、両者にとってメリットがあることです。そのため、さらなるデータ分析を行っていくと同時に、出稿企業様を増やすことが重要だと考えており、広告主様には金額や期間を自由に設計できる運用型を提供することを昨年から視野に入れていました。

香川:既存の広告主様からも、より柔軟な配信設計を求められていたので、正式にローンチして1~2週間で想像以上の問い合わせをいただいており、正直まだ対応しきれていない状況です。また、「TimeTree」が広告配信プラットフォームを展開していること自体、まだ代理店様を中心に認知が高くなかったため、今回いろいろなメディアに紹介いただいたことで代理店様からも多く反響がありました。

――うれしい悲鳴ですね! 具体的に、クローズド運用に参加された広告主の事例をうかがえますか?

香川:たとえば、結婚に関する情報を提供されている広告主様は恋人同士で「TimeTree」を使っているユーザー向けに結婚式場への来店訴求をする、ケーキの宅配サービスを提供している広告主様は記念日予定が近い人にアプローチする、などですね。また、スポーツの予定がある人に飲料メーカー様がスポーツ飲料を訴求した例もあります。いずれの企業からも、各指標の改善に手応えがあったとうかがっています。

「自分では思いつかない提案」がユーザーにも好評

――特にどういった点が評価されているのですか?

香川:広告主様のご予算に合わせて安価に試せること、リアルタイムでチューニングできること、またダッシュボード画面の直感的に使用できるシンプルさも好評です。また広告の配信システムも一新し、合わせてアルゴリズムも改善したので、各種の数値にはこの影響もあると思います。

 また、「TimeTree」ならではの点でいうと、他の運用型広告よりも新規ユーザーとのマッチングが高いと評価をいただいています。

――出稿企業にとっては、新規ユーザーとの出会いにつながっているんですね。その理由は?

香川:やはり、予定データ×属性という、これまでにないターゲティングを実現しているからだと思います。もちろん1,700万というユーザー基盤があってこそですが、興味関心軸以外でユーザーの必要性を捉えてマッチングしているので、ユーザーにとっても「自分では思いもよらなかった提案だった」「発見があった」とプラスになっているようです

 広告配信側にとって使い勝手のよい運用型広告を「TimeTree」という場で実現できたことは、広告主様や代理店様にも新しい提案になったのではないか、と考えています。とはいえ、機能面のご要望や課題はまだまだあり……。今まさに営業もエンジニアもフル稼働しています

――そうなのですね(笑)、さらなるアップデートが楽しみです。ちなみに現在、どのような広告フォーマットがあるのですか?

香川:静止画フォーマットは、「TimeTree」オリジナルサイズと一般的なSNS広告の素材を流用できるサイズの2種類があります。動画フォーマットは、現在準備中です。もうひとつ「予定作成型」というフォーマットがあります。広告をタップすることで、ユーザーのカレンダーに新たな予定が入る、というものです。

誠実で健全なプラットフォームを目指して

――なるほど、そのままカレンダーに登録されるわけですね。

吉本:はい、映画公開日やセール開始日など、日付が決まっているものに有効ですね。以前からあったフォーマットで、ECサイトを運営されている広告主様のセール訴求で活用いただいた際には、9%という高いCVRが得られました。こちらも、運用型に移行しています。訴求したい内容を特定の日にリマインドしたいというニーズがある広告主様であれば業種に問わずぜひご利用いただきたいと思ってます。

――お話をうかがっていて、あくまでユーザーファーストであり、そこに立脚した広告配信の仕組みだから広告主への貢献も大きいのだと感じます。ユーザーファーストの姿勢も含めて、今後の展望をうかがえますか?

香川:まさにご指摘いただいたとおり、ユーザーさんあっての「TimeTree」なので、たとえば広告事業も好調といっても、無尽蔵にクライアント数を追いかけることはしないつもりです。「TimeTree」の広告はあくまでユーザーに役立つ、知ってよかったと思ってもらえる提案にしたいので、ユーザーに対しても広告主様に対しても誠実に取り組んでいきたいです。

吉本:同感です。継続的な事業成長には、広告配信は必要な仕組みだと思っていますが、それは必ず健全でありたい、というのが当社の考えです。ユーザーに受け入れられ、広告主にきちんと成果をお返しして、その価値を正当に評価いただく。今後もその姿勢は崩さずに、「TimeTree」の独自性を追求したいと思います。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/14 11:00 https://markezine.jp/article/detail/32212