OMO時代にはサービス間連携を考慮に入れてプラットフォームを選ぶ
矢内:CDPやDMP単体で「Interaction Studio」の世界を実現しようとすると、各システムを連携するためのAPIを多数開発する必要があります。データも判断のプログラムも複雑になり開発コストが膨大にかかるので、「Interaction Studio」のようなソリューションの価値は大きいですね。
中谷:セールスフォースの顧客接点基盤の強みはシンプルに実現できるという点にあります。「Interaction Studio」では少ないコストで他のセールスフォースのプロダクトなどと統合して活用できます。
銀行を例にとると、顧客がカードローンをWebで調べてからコールセンターに電話をかけてきた場合、コールセンタースタッフの画面に顧客情報と一緒に「カードローンをおすすめしましょう」というリコメンドを表示させることができます。
矢内:現在、企業のデジタルマーケティングセンター、店舗などのシステムはバラバラで構築されており、連携しようとすると開発だけで数年かかることがあります。これからの顧客接点はOMOが当たり前になってくるので、連携を考えてプラットフォームを選定するという視点が重要になってきます。
システム導入・運用とコミュニケーションプランニングの両立が重要
――リアルタイムコミュニケーションを提供するシステム・体制を構築するためには、どういったプロセスが必要になるのでしょうか。
矢内:3つあると思います。まずはオンラインデータとオフラインデータを統合してリアルタイムにアクションにつなげる仕組みを整備する必要があります。
次に、業務や組織を横断した取り組みになるので、組織・業務・評価をどうするのかについても考える必要があります。たとえばデジタルからオフラインに送客してオフラインで購入が成立した場合、コンバージョン貢献に対する評価をデジタルと店舗でどう分かち合うか。これは重要なポイントになります。
最後に、コミュニケーションですが、リアルタイムオファーはきちんとプランニングしないとかえってお客様の離反を招いてしまいます。たとえば、店舗にチェックインした瞬間にアプリプッシュが大量に出てくるとネガティブな印象を与えるかもしれません。顧客のロイヤルティを考慮してどのような形や頻度のコミュニケーションなら心地いいのかを設計することで、顧客体験を高めることができます。
電通デジタルには、「基盤のインプリメント」「組織改革や業務改革などのコンサルテーション」「コミュニケーションプランニング」それぞれに専門組織がありワンストップでの支援が可能です。セールスフォース・ドットコムとの緊密な関係を活かして、最新のソリューションである「Interaction Studio」の活用についても支援できる体制を整えています。