広告売上の50%超を占める動画広告、何が支えている?
続いて、Twitter Japanでコンテンツパートナーシップ本部長を務める竹井規道氏が登壇した。前の笹本氏によるプレゼンの中で「広告の売上に占める動画広告の割合は50%を超える」という解説があった。この動画広告の成長を進める上で、欠かせない取り組みの1つがコンテンツパートナーシップだ。

Twitterでは、スポーツやニュース、エンターテインメントをはじめとしたリアルタイム性の高い動画コンテンツを持つコンテンツパートナーとの提携に注力。提携したコンテンツパートナーの動画にプレロール広告を配信する、パートナーとブランデッドコンテンツを制作するといった取り組みを行っている。
竹井氏はこれにより「コンテンツパートナーと広告主、利用者によるエコシステムを構築している」とした。利用者は無料で動画コンテンツを楽しむことができ、広告主はコンテンツパートナーの提供するブランドセーフな動画に広告出稿ができる。コンテンツパートナーも、フォロワー外の利用者にコンテンツを知ってもらえ、かつレベニューシェアによる収益獲得も得られるなど、3者にとってメリットのあるエコシステムが大きくなりつつあるのだ。

現在、グローバルにおけるパートナー数は950を超え、2017年10月から比較すると約4倍に成長している。
また、記者発表会の後に竹井氏に「どのような動画広告メニューが人気か」を尋ねたところ、以下のような返答があった。
「動画の前に配信するインストリーム動画広告だけでなく、インフォマーシャルのようなものも非常に人気があります。たとえば、NewsPicksがTwitterでライブ配信をしている『The UPDATE』では、スポンサー企業とミニ番組を制作し放送するといった取り組みも行っています。このようにコンテンツパートナーとインフォマーシャルを制作する動きも進んでいます」(竹井氏)
ラグビーワールドカップに見る、会話の盛り上げ方
続いて竹井氏は、2019年に会話をうまく促進していたコンテンツ、アカウント運用事例として、ラグビーワールドカップ2019の公式アカウントの取り組みを挙げた。同アカウントの取り組みには、3つの特徴があったという。
1つ目は、試合の中の重要な場面ですぐさまコンテンツを配信したことだ。トライを取った瞬間、ニュージーランド代表がハカを踊る瞬間など、利用者が感動と興奮を覚えるであろう瞬間からわずか1~2分でハイライトの配信を行っていたという。そのスピード感ある投稿が効果的だった。
2つ目は、ビハインド・ザ・シーン、つまり試合の舞台裏に関する投稿が多かったこと。カナダ代表の台風被災地でのボランティアやファンと代表選手の交流など、試合中継では映ることのない選手の振る舞いなどを定期的に発信した。
3つ目は、ラグビーの楽しみ方を公式目線ではなく、ファン目線で伝えること。スーパープレイのすごさをわかりやすく解説したり、南アフリカ代表のデクラーク選手を使ったパロディ動画を投稿したりするなど、様々な切り口の投稿を展開した。
これらの特徴ある取り組みが功を奏し、日本対南アフリカ戦を見ても、ハーフタイムやデクラーク選手がトライを決めた瞬間など、様々な場面で会話量の山を作ることができたという。

竹井氏は最後に今後の展望を語り、プレゼンを締めくくった。
「Twitterは利用者にコンテンツを届け、パートナーには広告収益を提供し、広告主には優良な広告在庫を提供するプラットフォームであります。2020年もこのエコシステムの成長を加速していきたいと思っております」(竹井氏)